小学校4~6年の子をもつ保護者の皆様へ

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安心安全なインターネットの利用【パート1】
茨城県メディア教育指導員連絡会 会長 堤 千賀子 氏

 スマホを買ってほしいと子どもに言われていませんか?小学校の高学年になるとスマートフォン(以下スマホ)の所有率が一気に上がります。いつ、どのタイミングで子どもに買い与えたらいいでしょうか。子どもの判断力を考えて与えましょうと言われても、簡単に判断できることではありませんね。たぶん子どもからお友達がどのくらい持っているのかを聞いて判断する保護者が多いと思いますが、それだけで良いでしょうか。
 多くの保護者が防犯の目的や子どもとの連絡手段として購入を考えますが、子どもたちはそれ以外のサービスを使うことが目的です。スマホは携帯できる電話ではなく、インターネットにつながる小型の携帯できるパソコン。親の世代が使っていたケータイとはまったく別のものだと思わなくてはいけません。スマホは機能もサービスも進んで便利になっている反面、詐欺、いじめ、個人情報の流出、依存と様々な問題を抱えています。スマホを何の準備もなく買い与えてしまっては、巨大で複雑なインターネットの世界にいきなり子どもを放り込んでしまうことになってしまいます。どのタイミングで購入するか、まず何をしたらいいかを考えてみましょう。
 子どもに「スマホを買ってほしい」と言われたら、「どうして欲しいのか」と聞いてみましょう。「○○ちゃんが持っているから」「みんなが持っているから」では心許ないですね。こういうことをしたいから…と具体的な希望がない場合は必要がない、購入はまだ早いと考えるべきです。スマホはおもちゃではありません。ご褒美やご機嫌取りに与えるのは禁物です。使い方によっては危険なことも多いのですから、購入を急ぐことはないでしょう。また、保護者側に子どもに持たせる理由がある場合には、その目的以外では使用させない設定をすること(インターネットにつながない等)や目的にあった機種を選びましょう。

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安心安全なインターネットの利用【パート2】
茨城県メディア教育指導員連絡会 会長 堤 千賀子 氏

 そろそろ購入を考えてあげる目安となるのは「SNSがしたい、ゲームがしたい、動画が見たい…」と具体的な返事が返ってきたらということになります。
 まずは、保護者がスマホ・インターネットとはどんなものなのか(特性)、子どもの利用に関してどんな問題があるのかを知っておくことが肝心です。そろそろ欲しがりそうだな…と思ったら心がけておきましょう。
 自分が大丈夫だったから…ウチの子は大丈夫!ではだめ。子どものことに関しては、いつでも想定外があることを忘れてはいけません。パソコンで検索してみたり、携帯電話会社の窓口のリーフレットを読んでみたりすることを勧めます。学校で催される研修にも参加するといいですね。
 ①今、何が起こっているのかを知ることが大切。
 ②使いたいサービスがどんなものなのか、何に注意したらいいのかを子どもと一緒に調べてみましょう。
 ③実際に使ってみるものいいですね。そこから約束につながるヒントが見つかるでしょうから。

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安心安全なインターネットの利用【パート3】
茨城県メディア教育指導員連絡会 会長 堤 千賀子 氏

 子どもとスマホの利用目的について話し合うことも大切です。スマホは買ってあげるのではなく、親が貸し与えるというのだということをしっかり分かってもらうために子どもと話し合います。

 ①「何のために貸してあげるのか、どう使ってほしいのか」を伝え、使用時間等の約束も決めましょう。
  作った約束はできるだけお友達にも伝えて、約束を守れる環境を整えてあげましょう。
 ②生活リズムを守るための項目を入れることや約束を守れなかったときのペナルティーも決めましょう。
 ③何よりも、何かあった時には必ず大人に相談するということを約束させましょう。

 本来はここまでを購入する前にすることが理想ですが、いつでも遅くはありません。持たせてしまった後でも子どもと話し合ってくださいね。
 また、保護者はフィルタリング(有害情報から守るための機能)を使用して子どものインターネット利用を指導、監督しなければならないことが法律(青少年インターネット環境整備法)で決められています(保護者が不要の申し出をしない限り)。最低限の親の目の代わりをする機能ですから、フィルタリングは必ず使用してください。
 インターネットの情報の中には、デマや詐欺、他人に対する誹謗中傷などが溢れています。SNS(LINE・Twitter等)での文字による会話の誤解やいじめによるトラブルも深刻です。機械を使いこなすことには長けていても、判断力や自制心などが未熟な子どもたちは思いもよらない結果を招いてしまうことがあるのです。自分の子どもに、今、本当に必要なものかどうかを考えて安易に購入せずに子どもと一緒に準備を進めてみましょう。

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子どもに良書を手渡すために【パート1】
絵本専門士,学校図書館司書 おはなしの会ぱたぽん会員 石川 仁美 氏

 「以前はたくさん本を読んでいたのに,4年生になったら急に読まなくなって…。」
こんな言葉があちこちで聞かれるようですが,そのわりに高学年の子どもたちに,
「本を読むのは好きですか。」
という質問をしてみると,8割の子どもが,
「本を読むのは好き。昨日は○○という本を読んだよ。」と答えてくれます。なかには,
「うーん,あんまり好きじゃないかも。サッカーのほうが好き。あ,でもサッカー関係の本は読みたい。」
と正直な答えが返ってくることもあります。
 
 個人差はありますが,一般的に子どもは小学校4年生ぐらいから自発的に,自分の目的にあった読書をするようになります。また,自分が読んだ本の内容に対して批判することもできるようになります。さらに,目的に応じて本を自分で選ぶことができるようになり,よりたくさんの本を読もうとするようになります。小学校高学年では,今まで読んでいた簡単な童話を卒業して,より込み入った筋立ての児童文学も読むようになります。しかし,この時期の子どもはまだまだ人生経験も浅く,偏った読書嗜好におちいりやすいことを考えると,大人のアドバイスは重要だといえます。
 たとえば,自分と同年代の子どもが複数で登場し,困難を勇気と知恵や友情で解決しようとする物語は,読書という疑似体験を通して現実世界での困難を整理し,克服するための想像力や力を育む助けとなっていくでしょう。このような物語は世界名作といわれる作品の大部分を占めています。名作文学ときくと,いささか気後れしてしまいますが,実は国際的に認められ,子どもの本として永く読まれてきている作品であり,時代時代で子どもたちの支持を受けてきた作品だということを示しています。昔から知られているだけに,現代の子どもは古くさいと感じてしまうのではと考えがちですが,実際には,子どもたちは読み始めるとその作品の力を感じ,想像力を刺激され思う存分にその作品を楽しむことになります。また,国際的な賞を受賞した作品を選び,子どもと一緒に読んでみることは,子どもにとっての良い本を理解するひとつの方法です。

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子どもに良書を手渡すために【パート2】
絵本専門士,学校図書館司書 おはなしの会ぱたぽん会員 石川 仁美 氏

 できれば,図書館や教育機関の作成しているブックリストを参考にして,少年少女物語のみならず,定評のあるファンタジー,歴史物語,科学読み物,絵本と幅広く紹介することがよいでしょう。いちいちジャンル毎に題名を挙げることはしませんが,一つの目安としては,大人である自分が子どもの時に薦められた作品で,今も図書館,本のリストや書店の棚にある本は,子どもたちに永く愛されてきた作品であり,現在でも子ども自身が楽しめる本だといえます。昨今の流行に乗った作品は,その内容はもとより文学性についてもきちんと吟味した上で選びたいところです。
 また,子ども自身の興味がどこに向いているかを知って,興味に合った作品を探し出し,手渡すことは,読書の可能性の大きさを子どもに実感させることになるでしょう。
 
 結局のところ,小学校高学年の子どものために本を選ぶことは,大人である私たちがかつて逃してしまった子どもの頃の楽しみを再確認し再び取り戻すことに他ならないことなのです。
 子どものために本を選ぼうとしている大人のあなたに,あえて質問しましょう。
「あなたは本を読むのは好きですか」
「あなたは本を読むのが楽しいですか」
 あなたは,なんと答えるのでしょうか。

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整理整頓のすすめ【パート1】
茨城キリスト教大学 准教授 飛田 隆 氏

 小学校4年生ぐらいから自分の身の回りのことは自分でするということを意識させていくことは大切だと思います。子ども部屋があれば、その部屋の整理整頓になるのかと思います。
 しかしながら、初めのうちはできることから親と一緒に取り組むことが必要です。この時に大切なことは子どもがうまく整理できなくとも叱らないことと、整理整頓をする場所を限定することが重要です。
 はじめのうちは、おおざっぱな片づけに努めるということです。そのうえで勉強机については整理整頓に努め、子どもと一緒に片づける物の分類をしっかり決めることは大切です。この時のコツは勉強机には遊ぶ道具になるようなものはおかないことが重要です。こうすることで勉強に取り組むときに妨げになるものが目につかなくなりますので勉強に集中できることにつながります。
 勉強机で使用する物を分類し、しまう場所が確定しましたら、出したものはかならず元の位置にしまう習慣を付けさせることが大切です。この時も、叱るのではなくできた時にほめることで長続きします。

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整理整頓のすすめ【パート2】
茨城キリスト教大学 准教授 飛田 隆 氏

 勉強に集中できない子の多くは、勉強しようと思ってはじめて必要に応じて、何か調べようと思って辞書等を探しても見つからず、その途中で遊び道具を見つけては遊んでしまったりして、長続きしなくなってしまうことも考えられます。
 整理整頓のできていない子は探し物をいつもしていて、その時間を使うことで本来のことができずに、時間に追われていることもあります。また探しているときに本来の探し物でなく、自分の趣味のものや懐かしいものを見つけたりすると、そちらに注意が向き、そこでもまた時間を取るようになり、ますます本来のするべきことができずに遅れていくことにつながりますので、保護者の皆様は注意していただくことが大切だと思います。
 勉強机の管理、整理整頓ができるようになりましたら、次はその周りの片づけをしっかりできるようにしてみてください。そこまでできるようになると綺麗になっていることが当たり前になり、散らかったり汚れたりすると自分から掃除をしたり、片づけたりするようになります。
 子どもに整理整頓や片付けの必要性を伝えるときに大切なことは、私たち大人もそうできているかも問われることになります。時間がない、忙しいは言い訳にはなりませんので、できることから始めてみましょう。

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千尋の“ゆらぎ”が“つよさ”に変わるとき
国立青少年教育振興機構 指導主幹 北見 靖直 氏

「“ゆらぎ”がきっかけで宇宙が誕生した」物理学者の佐治晴夫先生が言われているのをある雑誌で読みました。その中で先生は「自然現象のすべては“f分の1”のゆらぎによってゆらいでいる」、「自分という言葉は自然の“自”と分身の“分”だから、人も自然の分身、つまり人は宇宙のひとかけらである」、そして「人も日常と離れた非日常との“ゆらぎ”が必要である」と語られていました。先生の指摘するこのゆらぎこそ子供たちを成長させていく重要なキーワードであると思います。ここに日常を離れた非日常の中でドラマを繰り広げる体験活動の魅力があり、その力こそが子供たちの“つよさ”を引き出していくのです。
 宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」はまさに“ゆらぎ”の大切さとともに、その中で“つよさ”を引き出していく大切な魔法を私たちに教えてくれています。まさに体験活動の重要なテキストであると私は思っています。ご存じの方も多いと思いますが、このストーリーは住み慣れた町を離れ転校することになった千尋はまるで元気もやる気も失っています。その千尋が豚になってしまった両親と離れ、ひとりで八百万の神々が客として集う湯屋に迷い込みます。そこで謎の少年ハクと出会い、さまざまな事件や経験、そして多くの出会いのなかで生きる強さを取り戻す千尋。ラストシーンでは両親とともに人間の世界に戻る千尋の目はらんらんと輝いているというお話です。
この映画の中で千尋の“ゆらぎ”を“つよさ”に変えていくシーンがいくつも展開されていきます。その中で私がもっとも好きなシーンは湯屋へ向かう橋を渡り終わった後のシーンです。ハクに言われて息を止めていた千尋は蛙が飛び出し思わず息をしてしまいます。人間であることがばれてしまった後に、二人で裏木戸から湯屋の庭に飛び込みます。そこで「ハク、ごめん、わたし失敗しちゃった」と謝る千尋にハクはこう言います。「千尋は十分がんばった!」と言うのです。この一言が魔法のように千尋の不安を一瞬に勇気に変え、千尋はハクの教わったクモじいのもとに走るのです。まさに結果や成果ではなく、がんばったそのプロセスを肯定したのです。素敵な魔法です。このフィードバックこそが子供達の本来持っているちからを引き出していく。体験活動をともにする大人の存在と役割の大切さを私たちに教えてくれています。
子供たちの持つ生き抜く力を育むことがいま大切になっています。そのために子供たちに非日常への“ゆらぎ”の機会と、その中で子供達に寄り添う一言を私たち大人がプレゼントできたらと思います。

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「体験」が子供の力になる
つくば市教育委員 鷲田 美加 氏

小学校の後半ぐらいから,子供は急速に成長していきます。その成長ぶりに感動したり,子供の心と体の大きな変化に戸惑ったりもしますが,子供に幸せになってほしい,というのが親の願いです。
現代の子供たちは,スマホや携帯電話がある生活をしているので,たくさんの情報を得たり,ネットで繋がりを構築することができます。しかし一方で,自然との関わりや生活体験の機会が少なくなっていると言われています。この「実際の体験」こそが,子供たちの成長に欠かせない,大切なものです。

 「自然体験」
 子供の頃の「自然体験」が豊富な人ほど,大人になってから「人間関係能力」が高い人が多い,という調査結果が出ています。
 幸い,私たちの住む茨城県には,豊富な自然があります。少し外に出かけるだけで,山を歩いたり,海や川や湖で遊んだり,魚を釣ったりできるのは,茨城県に住んでいる大きなメリットですね。ぜひ親子で自然体験の共有をしたいものです。また,
・外に出て,夜空の星を見る
・太陽が昇るところや沈むところを見る
・道草を食う
など,意識すれば身近なところにも体験のチャンスはありそうです。

 「社会体験」
 子供の頃の「友達との遊び」「地域活動」の体験が豊富な人ほど,大人になってからの「規範意識」「意欲・関心」が高い人が多いという調査結果が出ています。何より,一番身近にいる社会人として,
・子供に仕事の話をする
・職場に連れて行く
など,意識して親の背中を見せることは,子供にとって素晴らしい社会体験になりますね。
 以前,保育士の資格を取得した際,私がリビングで勉強をしていたら,子供たちも横に座り,おもむろにノートを広げて勉強を始めたのです。「勉強しなさい」なんて一言も言って行っていないのに。子供は,親の背中をよく見ているのだなあ!と驚きました。
子どもは様々な体験を通して,自立するための力を身につけていきます。今の体験が,未来の子供の力になると信じて,親子で体験を増やしていきたいですね。

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