回答(中学生)

習慣・しつけ

.

Q1. 中学生の息子への接し方

中学生になってまもなく1年になる息子は,良い仲間に恵まれ,学校生活にも興味を持って楽しそうに通学しています。
しかし,最近になって,時々反抗的な態度を取るようになってきました。親としてどのように関わったらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

息子さんが意欲を持って中学校生活を送っていることは大変望ましいことです。
しかし,親が心配のあまり口やかましく注意したりすると,「うるさい」と反抗されることもあるでしょう。世話を焼き過ぎたり,干渉し過ぎたりすることを子どもは嫌い,かえって逆効果になってしまいます。中学生になった息子さんはちょうど青年前期に入り,自分の意志や考えを大切にする気持ちが強くなり,両親から自立していく時期なのです。
「手を離して目を離すな」と言われるように,小さな変化や心の動きに気を配るように心掛けましょう。また,子どもを信じ,悩みなどを温かく受け止めて話を聞いてあげ,子ども自身が自立していけるように支援していきましょう。自然に独立心が育つことによって反抗期を上手に卒業し,さらに,両親や友だちとの温かい人間関係を通して,自分自身に自信を持つことになるのです。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 何事にも反抗する子ども

最近,中学生の子どもが親に反抗してばかりいます。以前は素直な子どもでしたが,急に変わってしまいました。どのように対処したらよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

このような子どもの反抗は,思春期を迎えたことによるものです。この時期の子どもは,体はもちろん,心もこれまでと大きく変化し,劣等感や自己嫌悪の感情,社会や大人に対する不信や矛盾,正義感などを感じ始めます。このような意識が「反抗」という形で表れるようになります。
多くの親は,「この頃変わってしまった」と不安を感じますが,子ども自身も,乱暴な言動を取る自分に驚きと後悔を感じています。反抗は子どもに「自分も大人」という意識を形成するために必要なプロセスでもあります。戸惑うこともあるかと思いますが,子どもの言動を冷静に受け止め,過剰な反応は避けることが大切です。
また,この時期は,社会的なルールを身に付けさせることに関心を向け,親としての愛情は残しながらも,子どもの発達を見ながら,優しさと厳しさのバランスが取れた向き合い方を心掛けましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q3. 親に反発する娘

中二の娘は,以前は素直だったのですが,最近言葉遣いや態度が悪くなってきました。話し方や態度を注意すると,反発してきます。どのように接したらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

この時期は,自分の意志や考え方へのこだわりが強くなり,親からの自立を試みる時期です。周りからの過度の干渉を嫌がり,自分の考えを否定されたり,思い通りにならなかったりしたときにいらだち,反抗的な態度をとるようになりがちです。親としては心配ですが,これは成長の過程の一つと捉えることもできます。
娘さんがいらだっているときには,何を話しても素直には受け止められないと思います。質問攻めにしたり,親の価値観を押し付けたりすることは避けたいものです。娘さんが冷静になってから丁寧に話を聴き気持ちを和らげてあげましょう。意見や助けを求められるまでは,温かく見守ってはいかがでしょうか。
また,日頃から,娘さんのよい点を褒めるなどして,何でも話せる関係をつくることができれば,次第に反発は少なくなっていくでしょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q4. 目標を果たせず無気力になった息子

息子は、中学生になって部活動に目を輝かせ夢中に取り組んでいたのですが、中心選手として出場した地区大会に敗れた後、無気力になってしまいました。日常生活にも張りがありません。息子にどう接し、どう対処すればよいでしょうか。 

中学生の母親

Answer

中学生にとって、部活動は生活の中心であり、心のよりどころとなっていることが多くあります。2年生は次第に部活動の中心的存在になってくる時期で、責任も重くなりがちです。息子さんも一生懸命に取り組んでいただけに、地区大会での敗退は、無念さがいつまでも続き、毎日の生活まで影響が及んでしまっていると考えられます。
しかし、部活動は、自主性や責任感、協調性などを身に付けたり、練習の過程や試合の中から楽しさや悔しさを学んだりするものです。そして、そのような中から、新たな目標へのきっかけが生まれてくるでしょう。
 息子さんの今の状態は、小鳥が羽根を休めている時とみてあげてください。部活動の様子について無理に話を聞き出そうとしたり、必要以上に心配したりせず、これまでと同様に自然に接しながら、暖かく見守っていくことが大切です。
 部活動に目を輝かせていた息子さんですから、必ず生活に活気が戻ってくるものと思います。
 来年は、最上級生としての活躍の場が与えられていますので、顧問の先生と連携を取りながら、新しい目標を持たせることが大切でしょう。 

教育・子育て電話相談員
.

Q5. イライラし、反抗する息子

勉強が難しくなったり、部活動が始まったりと、小学校との違いに戸惑っているせいか、イライラして家族にも反抗します。
どのようにかかわったらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

中学校入学時は、新しい環境に慣れるために子どもたちは非常に気を遣い、精神的に疲れているものです。さらに、部活動に入部すると肉体的な疲労に加え、小学校の時よりも時間的な制約が多くなるため、「学習時間が確保できない」「自由に過ごす時間が少ない」といったことから、イライラしたり、上級生との接し方で不安を感じたりすることもあります。
そんなとき、「成績が悪くならないように、もっと勉強をしなさい」「反抗するな」「もっと学校の話をしなさい」など、親の心配をそのまま投げかけることは、さらに追い詰めることになるようです。
家庭では、食事や団らんなどでほっとできる、ゆっくり安らげる時間を家族みんなで確保することが、次の活動へのエネルギー源となります。心配を言葉にするよりも、勉強や部活動に集中できるような環境を整えていくようにしましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q6. 家ではほとんど勉強しない息子

 息子は部活動優先の生活で家ではほとんど勉強しません。どうしたら家庭学習に取り組むようになるのか、そして高校受験に間に合うのか、とても不安が募ります。

中2男子の母

Answer

 部活動に打ち込む日々には、息子さんなりの思いがあり、将来の夢や進路の希望に繋がるはずです。どんな思いで部活動に打ち込んでいるのか、どんな楽しさや目標があるかを話してもらううちに、その先の進路についての希望や不安が聞けるかもしれません。その上で息子さんに具体的なアドバイスができると良いと思います。
 一方で、自分の進路に目を向けさせることも必要です。自分の将来についての目標が少しでも描けたなら、家庭学習を習慣化するため、内容や時間を息子さん自身が決められるよう、やれることから励ましてみてください。自分自身で決めた事をやり遂げることは、部活動にも共通しているはずです 。さらに、親としての心配事や不安な思いを学校の先生に伝え相談することも良いと思います。家庭では分からない息子さんの様子を知ることができるかもしれません。

子どもの教育相談員
.

Q7. 娘との関わり方に悩む父

 中1の娘は、以前は何でも話す素直な子でした。しかし、最近は話しかけると曖昧な返事で無視することがあります。注意すると反発して部屋に閉じこもってしまいます。どのように接したらよいでしょうか。

中1女子の父親

Answer

 この時期は、親から過度に干渉されたり価値観を押し付けられたりするのを嫌がり、自立を試みるようになります。今の娘さんの姿は成長の証でもあります。
 まず話しかける際には、娘さんの様子をよく見て、ご自分の思いを一方的に伝えるのは控えましょう。また、欠点が目につき、注意したくなることもありますが、思いや考えを丁寧に聴き、娘さんの気持ちを理解して受けとめてはいかがでしょうか。
母親や他の家族とも娘さんの話題を出し、よさや頑張りに目を向けることができれば、娘さんとのよりよい関係へとつながっていくと思います。
 これまでの関わり方とは少し変えて「困ったときにはいつでも相談にのる」という姿勢で、娘さんがよりよく成長していけるように、家族みんなで見守っていってはいかがでしょうか。

子どもの教育相談員

学習・進路

.

Q1. 勉強へのやる気がない娘

娘には小学1年生から塾に通わせ,勉強を頑張るよう励ましてきましたが,中学2年生になってからほとんど勉強をしなくなってしまいました。成績が下がっても気にしていませんが,学校生活は楽しく過ごしているようです。親として,娘のために何かと環境を整えてきたつもりですが,勉強をやろうとする気持ちがないようで困っています。

中学生の母親

Answer

娘さんの立場になって考えてみると,小学生のころから親の言うままに塾通いを続けてきたことに疑問を持ち始めたのかもしれません。中学2年生ともなると,子どもは親の思いや考え方に批判的になってきますが,これも成長の一過程です。
大切なのは,親子でじっくり話し合い,娘さん自身が何のために勉強するのかを考えることです。さらに,塾に通う目的が何かをはっきりさせておきましょう。不得意教科の補充学習なのか,目標校合格のための学力アップなのか,何となく安心するからなのかなど,話し合ってみることが大切です。
現在の娘さんの学力から考えて,本当に塾での学習が必要なのかどうかを,娘さん自身に決定させてみてはどうでしょうか。自己決定することで自分の生活を振り返り,反省しながらより良い学習の仕方を身につけていきます。
勉強にも自立心が必要です。親としては,娘さんの意思や思いを受け止めながら,意欲的に学習に取り組めるよう,見守りの姿勢で接してほしいと思います。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 勉強と部活動の両立に悩む

中学生の我が子は入学当初からA高校にあこがれていましたが,最近は部活動に夢中で勉強に集中できないでいるようです。成績も伸び悩み,友人が希望しているB高校に行きたいと言い出しました。親としては,頑張れば可能と思われるA高校を目指してほしいという思いがあり,少しずつ家庭学習も頑張ってほしいと思っています。どのようにアドバイスすればよいでしょう。

中学生の母親

Answer

部活動は仲間と一つになって目標に向かって打ち込むものです。親としてはお子さんの思いを大切にし,部活動の頑張りを認めてあげてください。その上で,家庭学習などの勉強が習慣化できるように声をかけてください。
特に,部活動で疲れている時こそ,ちょっとした勉強の様子をとらえ頑張りを認め,心身両面から応援してあげることが大切です。
部活動を通して自分なりに精いっぱいやり遂げたという達成感を持たせたいものです。その達成感が本人の中で大きければ大きいほど,部活動引退後に進路に向けて気持ちを切り替えられる原動力となります。
中学生の時期は友人との結びつきが強くなり,親を避けたり反抗したりする半面,親に対して「分かってほしい」という気持ちが強くなる時期でもあります。進路についての話題を通して,お子さんの気持ちを大切にしながら真剣に話し合う時間を持ちましょう。
一方,学校では進路指導のための豊富な資料や情報が整っています。担任の先生とも納得のいくまで話し合ってください。その上でお子さんが自らの将来について考え,目標に向けてよりよい進路選択ができるように応援してあげてほしいと思います。

教育・子育て電話相談員
.

Q3. 勉強に集中しない息子

中学2年の息子が「落ち着きがなく授業中も勉強に集中していない」と担任の先生から繰り返し注意されています。 
間もなく3年生になり高校受験を控え、何度も「集中して勉強しなさい」と注意しても反抗するばかりでとても心配です。 
父親は子育てに協力してくれず、一人で悩んでいます。どのように対処すればよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

受験を迎える子どもを持つ保護者にとって、子どもが勉強に集中しない様子から「勉強しなさい」と何度も言ってしまう気持ちは理解できます。しかし、親が子どもの進路を考えるように、子ども自身も中学2年終了間際ともなれば同じように悩み、不安を感じていると思われます。特に高校受験は、子どもにとって人生で初めての試練を受ける場であり、そのプレッシャーの大きさは大変なものがあります。 
そこで大切なことは、まず「勉強に集中する」ためには、お子さんと将来の夢や目標についてじっくり話し合い、その実現のためにはどのように行動したらよいのかという話し合う機会をもつことが大切です。将来の夢や目標が明確になることで勉強に集中できるようになります。また、家庭での生活時間を見直し、学習する時間についても話し合い、時間を子どもに決めさせるとよいと思います。それを実行することで、自分が学習する時間を自覚し、徐々に勉強に集中するようになると思われます。 
思春期の子どもにとって「勉強しなさい」と言われると、逆にやる気をなくすことが考えられます。家庭での学習に集中しないことがあっても、子どもを信頼して勉強についてはなるべく言わないように心掛けてみましょう。勉強に集中している様子が見られたときには「頑張っているね」とねぎらいの言葉をかけてあげましょう。 
また、学習の合間や休息の時間に、一家だんらんを楽しめる温かい家庭の雰囲気作りを心掛け、学習するのに最適な環境を作るために家族全員で協力していくことも大切です。

教育・子育て電話相談員
.

Q4. 中学1年生の進路について

先日,学校で進路希望調査がありました。中学1年生ということもあり,将来について,明確な目標もなく悩んでいる様子です。親として,どのようにアドバイスしたらよいのか迷っています。

中学生の父

Answer

今の段階で,将来に対する明確な進学先や職業意識をもてることは素晴らしいことです。しかし,今,子どもたちが目標とする将来像を描くことが難しい社会の状況があります。子どもと向き合う時には,親の視点から進路を押しつけるのではなく,子ども自身の考えで自らの選択と決定を行えるように,親の体験談や子どもの興味,適性から一緒に考えるなど,日頃より様々な角度から問いかけや助言を行うことが大切です。また,目標とする進路の実現や子どもからの相談に対して,どのような勉強や資格が必要なのか,正しい情報を提供できるようにしておくことも大切です。現時点で明確な目標がみつからないとしても,将来の準備不足で困らないため,今,取り組むべき勉強や部活動など,学校生活の全てにおいた最善を尽くすことが,万全の準備につながるという助言もH美つようになると思います。いずれにしても,将来お子さんが進路を決定する段階で,目標や困難に直面した時,自らの力で自立していこうとする芽を見守りつつ,的確な助言を行うことが大切だと思われます。

教育・子育て電話相談員
.

Q5. 高校受験の志願先を変更すべきか悩んでいます

親も子も県立高校への進学を希望しています。先に私立高校を二校受験し、一校に合格しましたが子どもは、合格した私立高校には行きたくないと言ってます。希望する県立高校は、今の学力では必ず合格するとは限らないことから確実に合格できそうな別の県立高校へ進路を変更した方がよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

一人で悩まないで、担任の先生などとよく相談し、希望する高校も含めた多くの学校の様々な情報を得てお子さんとよく話し合ってみてはどうでしょうか。本人は、希望する県立高校に合格するために努力していますので、変更することを受け入れることは難しいかもしれません。本人の意思を尊重して、家族全員で支えてあげてください。進学先を明確にすることはもちろん大切ですが、学力を向上させ、実力をつけるために努力し続けることが重要だと思います。後悔することがないよう志願先決定について納得のいくまで話し合い、試験当日に自分の実力が最大限に発揮できるよう協力してあげてください。

教育・子育て電話相談員
.

Q6. 部活に夢中で勉強しない息子

中一の息子は、サッカー部の活動に夢中で、あまり勉強もしません。夕食後は、すぐに寝てしまい、土日も部活の他はだらだら過ごします。成績も下がってきて心配ですが、どのように接したらよいのでしょうか。
 

中学一年生の母親

Answer

「文武両道」とは言いますが、実際にはなかなか難しいことです。まずは、サッカーの練習に一生懸命になっている息子さんを認めてあげましょう。何かに集中できるエネルギーは、受験期の本格的に勉強に身を入れなければならなくなった時に役立つはずです。
でも、成績が下がっていることは心配ですね。息子さんはどう考えているのでしょうか。自分が就きたい職業や、入りたい学校などの将来図が描けているのでしょうか。具体的な目標がもてると、それが学習へのきっかけになります。機会を捉え、そうした話題を親子で話し合ってみるとよいでしょう。その際に、息子さんに対して、心配している気持ちを伝えてみてはどうでしょうか。
今は勉強を強いるより、体力や集中力を育てる環境を整え、「将来はこうありたい。だから、何々をがんばる」と、息子さんの心に灯をともす応援が大切です。
 

子どもの教育相談員

交友・学校生活

.

Q1. 生活の乱れた息子

息子は毎日,野球部の練習に熱心に取り組み学校生活が楽しそうです。しかし最近になって帰宅時間が遅い日が多くなり,理由を聞くと,野球部の友だちに誘われてコンビニやゲームセンターに立ち寄って遊んでいるようです。どう対応したらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

息子さんは中学校で,野球部の厳しい練習が終わった後の開放感などから,学校帰りに寄り道をするようになっているのでしょう。帰宅時間がさらに遅くなったり,回数が増えたりする可能性もあるので,早い時期に対応を考えなければなりません。
まずは父親を交えて話し合い,息子さん自身が自分の行動を振り返る機会をつくりましょう。詰問口調で問いただすのではなく,息子さんを信頼しているという態度で語り合う姿勢を心掛けてください。状況を把握した上で,一緒に行動している友だちの親御さんと連絡を取り合い,保護者が連携して対応することが大切です。
部活動は技能向上だけでなく,心身の健全な育成と豊かな人格形成を図る上で大変有意義なものです。しかし一方で仲間意識の強まりがマイナス面に働き,集団での問題行動につながる場合もあります。指導者の影響力が強い場合も多く,顧問の先生と協力した指導が効果的です。生徒指導の面からも学校と連携する必要があるでしょう。
生活の乱れは学校や家庭,友だち関係などさまざまな原因が絡み合っていますが,親子や家族のかかわり方が最も大切です。問題行動だけに目を向け,断定したり押しつけたりせず,家庭が息子さんにとって安らぎの場所となるような環境づくりを心掛け,時には親として毅然とした態度を取ることも必要です。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 新しい友だちができない

中学生の娘は,学校のクラス替えで仲の良かった友だちと別のクラスになってしまい,いまだに新しい友だちができないと悩んでいます。
部活動に対する意欲もなくなってしまったようで,すべてに無気力になってしまいました。親としてどうしてあげたらよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

中学生は多感な時期ですから,仲の良い友だちとクラスが別々になったりすることからくる心細さは想像以上のものがあるものです。
まず娘さんが友だちとクラスが別れ,しばらく寂しい思いをしている気持ちを十分に聴いてあげることが必要です。そしてお母さん自身も,娘さんと同じように悩んだり苦しんだりした経験があることを話すなどしてあげることで,娘さんの心に元気が戻ってくることでしょう。
クラス替えには,さまざまな人と行動をともにする経験を通して人間関係づくりを学ぶという目的もあるので,娘さんの気持ちが落ち着いたら,これまでの友だちばかりでなく,新しい学級の友だちにも目を向け,学級が好きになれるよう励ましてください。娘さんはお母さんの温かい見守りの中で,新しい友だちづくりができていくものと思います。
また友だちのことや部活動のことなど,娘さんが悩んでいる状況を担任の先生や部活動の先生に伝え,理解してもらうとともに,交友関係に心配りをお願いすることもよいでしょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q3. 受験生への接し方

息子は県立高校受験を目指し、日夜、机に向かっておりますが、受験に対して過敏になり、何かと家族に当たり散らします。近頃は物にも当たるようになりました。母親として心を痛める毎日です。どのように接していけばよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

受験生の中には情緒不安定になり、人や物に当たったりする場合があります。息子さんも受験を間近に控え、不安からくるストレスがたまっているのでしょう。
受験生をもつ家庭としては、受験を幾多の試練を乗り越えるためのよい経験として前向きにとらえ、本人を励ましながらも温かく見守ってあげることが重要です。息子さんの努力している姿を認め、応援していることを伝えてあげてください。それと同時に、今の努力は、将来の夢や希望を実現させるためのものであることを、息子さんによく理解させることも大切です。
しかし、日常生活の中では、過度に気をつかうなどの特別な接し方は逆効果のことも多いため、普段どおり接する方が、本人の気持ちの安定につながることでしょう。
また、担任の先生に息子さんの状況を伝え、受験に向けて計画的に学習が進んでいるか声をかけたり、自信をもって受験に臨むよう励ましたりしてくれるよう、お願いすることもよいでしょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q4. 部活動と進路

我が子は中学校に入学して部活動に夢中になって取り組んでいました。しかし、友だちから「下手」と冷やかされ落ち込んでしまいました。それ以来、部活を休みがちになり、部活の友だちと会うことも避けているようです。最近は一人で遊ぶことも多くなり心配です。どのように対処すればよいでしょうか。 

中学生の母親

Answer

思春期という心身ともに不安定なこの時期は、友だちの何げない言葉に傷ついたり、友だちとのトラブルも多くなりがちです。
しかし、子どもの成長過程でこのような問題に悩み、自力で乗り越える経験は友だちとの付き合い方や人を思いやる気持ちなどを育み、大人になってからのより良い人間関係の構築につながることでしょう。
親は温かく見守り、話をじっくり聞いてあげることが大切です。親から見れば「考え過ぎ」と思われるようなことでも、悩んでいる子ども自身にとっては大きな問題と考えた結果の行動だと思われます。単純に「部活に行きなさい」と叱咤激励するだけでは、問題の解決にはなりません。親は子どもの話を聞きながらさまざまな角度から適切な助言をし、部活動を続けたいという気持ちが自然と湧いてくるのを見守ると同時に、新しい友だち関係づくりにも目を向け、幅広い人間関係を前向きに築いていけるような助言を心掛けましょう。 

教育・子育て電話相談員
.

Q5. 部活をやめることに悩む息子

息子がサッカー部を辞めたいと急に言い出しました。顧問からは,一度始めたことを中途半端に投げ出すことはよくない,仲間に対する責任はどうするのかときつく言われたようです。私も先生と同感なのですが,息子の悩みはより深くなってしまったようです。

中学生の父

Answer

学校の部活動は自主的・自発的なものであり,その目的はスポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感を養うことにあります。しかし,集団の活動である限りにおいて,部内の人間関係や勉強等の両立などに悩む子どもは多くいます。息子さんは,物事を中途で投げ出すことがよくないこと,仲間への責任が果たせないことは重々分かっているのです。だから悩みも大きいし,決断に迷いが生じているのでしょう。
大人は常識や経験でアドバイスします。しかし,それが結果的に自分の価値観を子どもに押しつけていることを忘れがちです。子どもに親の思いを届けることは大切なことですが,まずは,息子さんが辞めたいと言い出した胸の内を十分に聴き,今の状況をしっかりと受け止め理解してあげましょう。その上で辞めるにしても,とどまるにしても,自身の選択であり決断であることを自覚させ,今後の生活に責任を持たせることが重要なのではないでしょうか。

教育・子育て電話相談員
.

Q6. 友だち関係に悩む我が子

我が子は中学校に入学して部活動に夢中になって取り組んでいました。しかし、友だちから「下手」と冷やかされ落ち込んでしまいました。それ以来、部活を休みがちになり、部活の友だちと会うことも避けているようです。最近は一人で遊ぶことも多くなり心配です。どのように対処すればよいでしょうか。 

中学生の母親

Answer

思春期という心身ともに不安定なこの時期は、友だちの何げない言葉に傷ついたり、友だちとのトラブルも多くなりがちです。
しかし、子どもの成長過程でこのような問題に悩み、自力で乗り越える経験は友だちとの付き合い方や人を思いやる気持ちなどを育み、大人になってからのより良い人間関係の構築につながることでしょう。
 親は温かく見守り、話をじっくり聞いてあげることが大切です。親から見れば「考え過ぎ」と思われるようなことでも、悩んでいる子ども自身にとっては大きな問題と考えた結果の行動だと思われます。単純に「部活に行きなさい」と叱咤激励するだけでは、問題の解決にはなりません。親は子どもの話を聞きながらさまざまな角度から適切な助言をし、部活動を続けたいという気持ちが自然と湧いてくるのを見守ると同時に、新しい友だち関係づくりにも目を向け、幅広い人間関係を前向きに築いていけるような助言を心掛けましょう。 

教育・子育て電話相談員
.

Q7. 友達が減り、元気のない息子

小学生の時に仲のよかった友達と中学校入学後,遊ばなくなりました。新しい友達もできず,元気がありません。

中学生の母親

Answer

最近の子どもたちは,子どもの数が減少したことや遊びの内容が変化したことなどを背景に,人とかかわる経験が不足しており,人間関係づくりが苦手であると言われています。また,学級や部活動が違うといっしょに行動することが少なくなる傾向がみられます。
子どもにとっては,このような交友関係の急激な変化はつらいものであり,小学生の時に仲のよかった友達と遊べなくなることで,元気をなくすこともあるようです。
こういうときには,子どもを取り巻く環境の変化や人間関係づくりの困難さを理解し,つらい気持ちを受け止めることが大切になります。人間関係づくりで悩むことは,誰にでも起こりうることです。子ども自身の力で解決していかなければならない問題です。子どもの代わりにやるべきことを考えたり,代わりにやってあげたりするのではなく,心理的な成長を支えていくようにしましょう。

子どもの教育相談員

いじめ・不登校

.

Q1. 新学期,不登校の娘

中学生の娘は,仲良しグループの三人から仲間はずれにされ,2学期は欠席がちとなり,3学期は不登校になってしまいました。今は新学期からの登校や学習への遅れについて悩んでいます。「学校へ行かなくてもいいよ」と言っているので少し落ち着いていますが,どのように対応すればいいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

お子さんは今,思春期といわれる時期にいます。思春期は身体の成長に心の成長が追いつかず,誰もが不安定な状態になりやすい時期です。また自分自身について考えるようになる時期でもあります。
特に学校生活では,友人との人間関係や成績などの面で他者と比較されることに敏感になり,それが大きな悩みにもなります。心身ともに疲れている時は休息が必要で,娘さんの場合,自ら納得できるまでゆっくり考える時間を与えるとともに,娘さんのつらい気持ちを分かってあげることが大切です。
また,できるだけ早く学校の先生や専門機関に相談し,登校を阻んでいる要因をなくすようにしましょう。そして「行かなくてもよい」とお母さんが言うよりも,本人のプラス面を認めるようにかかわり,自分に対する自信を回復させるよう心理的な成長を支えてあげましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 仲間はずれにされる息子

息子は小学生のころは身体も大きく,リーダー的な存在でしたが,中学生になってから学校では目立たない存在のようです。野球部に所属し,大会での活躍を目指して頑張っていましたが,最近は家に帰っても元気が無く,理由を話そうとしません。他の部員の保護者に電話で聞いてみたところ,原因は分かりませんが野球部内で仲間はずれになっているとのことです。どのように対応したらよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

中学生ともなると,悩みごとを打ち明けられずに一人で悩むことも多く,深刻な事態に陥る場合もあります。まずはお子さんの心の理解に努めましょう。また,担任の先生に相談し,お子さんの学校での生活の様子や友だち関係について聞いてみましょう。
中学校生活で部活動は大きな役割を占めるようになります。部活動は団結心や仲間意識をはぐくむのに大変よいですが,ときにトラブルが発生することも考えられます。「野球部内で仲間はずれになっている」とのことですが,顧問の先生にも相談してみることが大切です。原因を明らかにすることで解決への方向性を見いだすことができるのではないかと思います。
保護者として,お子さんの小さな心の変化を見逃さず,理解に努めることが最も大切です。そのためには何でも相談できるような家族間の温かな雰囲気作りが必要になってくるでしょう。お子さんにしっかりと寄り添い,解決策を一緒に考えてあげましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q3. 仲間はずれ

活発な中学生の娘が、最近になって体調不良を理由に「学校を休みたい」と言うようになりました。部活動で他の部員と口論になり、その後仲間はずれになっていることが原因のようです。どのように対処すればよいでしょうか。

中学生の母

Answer

中学生になると、体の変化につれて、気持ちも不安定になりがちで、ささいなことで友達とケンカしたり、親や先生に反抗するなど、自分をコントロールすることが難しくなることがあります。そのため、これまでであれば簡単に仲直りできたことが、今回のご相談のように思わぬ方向に発展してしまうことは少なくありません。中学生は多感な時期ですので、丁寧な対応が不可欠です。まずは、共感しながら娘さんの悩みをよく聞いてあげましょう。そのうえで、本人に正すべきところがあれば反省を促し、今後の言動を考えさせることが大切です。仲間はずれの解決に向けては、時間はかかるかもしれませんが、顧問の先生の協カを得るなどして、娘さんを7含めて仲間同土でじっくりと話し合う機会を設けましょう。そして互いの思いを伝え合うことで仲直りするきっかけをとらえるのがよいでしょう。娘さんは今、不安とかっとうの中にいるはずです。親として、娘さんのために時間を作って、焦らず正面から悩みを受け止めてあげてください。

教育・子育て電話相談員
.

Q4. 人間関係のトラブルで欠席する娘

中二の娘が、部活動の人間関係に悩み「部活をやめる、学校も行かない」と言って、学校を欠席し始めました。家での生活も不規則です。このまま不登校になってしまうのか心配です。

中学生の母

Answer

家族は娘さんにとって温かく、安心できる存在でありたいものです。まずは、保護者が本人の悩みや寂しさを丁寧に聴き、受け止めることが大切です。娘さんも思いを話すことで、友達とどうありたいのか、親の助けが必要なのか、先生に力になって欲しいのかなど、自分の悩みを整理し、きちんと向き合うことが次第にできるようになります。保護者は娘さんに寄り添いながら一緒にできることを考えましょう。
また、学級担任や部活動の顧問など、学校の関係者と連絡を取り合いながら、娘さんの人間関係を見守り、安心して学校生活が送れるように環境を整えることも必要です。
家族の温かさを基盤に、保護者や学校、本人が、それぞれにできることを確認し力を合わせて、娘さんの心のエネルギーを徐々に回復させていきましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q5. 体操服に足跡

子どもの体操服を洗濯しようとした時、体操服に靴の足跡がついているのに気づきました。最近、何となく元気がないように感じます。学校でいじめられているのではないかと心配です。足跡のことを子どもに聞くべきか、そっとしておくべきか迷っています。どのように対応すればよいでしょうか。 

中学生の母親

Answer

どのような状況で体操服に靴の足跡がついたのか、お母さんにとってはとても気になると思います。まずはいじめとは決めつけず、お子さんに対してさりげなく理由を聞いてみてください。もし明確な答えを避けるようならば無理に詮索せず、しばらく様子を見守りましょう。いじめられているかどうかは本人が口にしない限り、なかなか判明しづらいものです。しかし、日ごろから子どもと良好な親子関係を築くことができていれば、普段とは違う微妙な心の動きや顔の表情、声の大きさや動作などに表れる小さな「SOS」のサインを必ず見つけられます。
もし、いじめであることを打ち明けた時には、その時のつらい気持ちや悔しい気持ちを誠実に聞いてあげてください。そして、これからお子さんがどのようにしたいのかを尋ね、親は子どもの気持ちに寄り添って行動してあげてください。子どもは親に理解されることで少しずつ自信を取り戻し、次の行動に踏み出すことができるようになります。
また、学校でのいじめの状況、子どもの気持ちや親子で話し合った内容などを担任の先生に相談し、学校での子どもの様子の見守りを依頼するなど学校側と協力して、一緒に問題の解決を図りましょう。それと同時に、家庭でも日ごろから子どもの様子に気を配り、家族が気軽に話し合える温かい雰囲気づくりを心掛けましょう。 

教育・子育て電話相談員
.

Q6. 何となく学校に行けない

中学生の子どもが、冬休み明けに風邪をひいて休んで以来、学校へ行くことを嫌がるようになりました。病院でも診てもらいましたが、身体面では特に問題はありませんでした。しかし、無理に行かせようとすると泣いたり頭が痛いと言ったりします。何故行きたくないのかは、わからないと言うだけです。いじめなどが原因ではないようですが、心配です。元々少し神経質なところがありますが、家では元気です。登校できるようにするには、どのように接すればよいでしょう。 

中学生の母親

Answer

不登校の原因が分からないのでは、お母さんも対応に迷われることでしょう。本人がなぜかはよく分からなくても、何らかの不登校となる原因があるはずです。この場合、強く問いただしてもかえって逆効果になることがあります。まずお子さんに心理的な負担をかけないような配慮が必要かと思われます。
 例えば、「私は学校へ行けない駄目な子なんだ」という気持ちを抱かせないような対応が大切です。無理に通常の登校を促すのではなく、保護者が一緒に登校したり、保健室まで一緒に行くなど、少しずつ登校慣らしをしてあげましょう。
 一方、担任の先生には家庭訪問をお願いし、学校とのつながりを保っていただき、仲の良い友だちにも遊びに来てもらうなど、お子さんに孤立感を与えないような働きかけが必要となります。少しずつ慣れていけるように、周囲に溶け込めないつらさを薄めてあげましょう。
 学校との連携を保ちながら、子どもの成長を信じ、お母さん自身がゆとりを持って時間をかけて登校を促してみてください。 

教育・子育て電話相談員
.

Q7. 腹痛を訴え、登校を渋る娘

4月に中学生になった娘がいます。4月のうちは張り切って登校していたのですが、5月の連休明けから、朝になると腹痛を訴え、登校をしぶるようになりました。
念のため、内科を受診させたのですが、どこにも異状は見つかりませんでした。今のところ、何とか学校には行っていますが、そのうち休み始めて、不登校になるのではないかと心配しています。
 

中学一年生の母親

Answer

登校しぶりという形でSOSの発信をしている娘さんは、小学校とは違う中学校での生活に戸惑っているのかもしれませんね。まず、じっくりと話を聴いてあげてください。娘さんは、心配を掛けたくないという気持ちなどから、あまり話をしないかもしれません。
しかし、親が、子どもに寄り添い悩みを一緒に考えようとする姿勢は、子どもにとって大きな心の支えとなります。
また、学校での様子や心の動きを理解するために、担任の先生に相談する必要があります。学校と家庭が共通認識をもって、解決への糸口を一緒に考えることが重要です。それでも娘さんの様子が改善しないようであれば、早めに、専門機関に相談するなどの対応を検討してみてください。娘さんに笑顔が戻るよう、周囲の協力を得ながら、しっかりと支えていきましょう。
 

子どもの教育相談員
.

Q8. 朝になると体調不良を訴える息子

登校時間になると「頭が痛い」「お腹が痛い」などと言って学校を休みます。
このまま不登校になってしまうのではないかと心配です。

中学生の母親

Answer

毎朝、お子さんへの対応で大変な思いをされていることと思います。
家庭だけで問題を抱え込むのではなく、早い段階で学校やスクールカウンセラーに相談しましょう。本人の不安な気持ちを和らげ、心理的な成長を支えていくためにも、登校を渋り出した時の対応はとても大切です。また、なぜ子どもの足が学校に向かないのかは一人一人違います。お子さんにとってどのような対応がよいかを学校やスクールカウンセラーがいっしょになって考えてくれます。
渋りながらでも登校しているお子さんは、普通に過ごしているようにみえても学校では緊張して大きなエネルギーを使っています。家庭では、お子さんがゆったりと過ごせるよう配慮してあげましょう。渋っている本人を責めたり叱ったりせずに、渋りながらでも登校している本人の頑張りを認めることを心掛けていきましょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q9. 息子のノートにいたずら書きの跡

 子どもの教科書やノートにいたずらをされた跡がありました。いじめられているのではないかと心配です。

中学生の母親

Answer

 「衣服の汚れが見られる」「けがや体調不良を訴える」「交友関係が変化する」「学習への意欲をなくす」などの小さなサインを見逃さないためには,日頃から子どもの生活の様子や友達との関係に気を配って見守っていくことが大切です。
 「いじめられていることは恥ずかしい」「いじめられている自分が悪い」「親には心配をかけたくない」という気持ちから,いじめられていることを自分から親にはなかなか言えないものです。
 また,いじめられた体験を語ることは,いじめを思い出してつらい気持ちになるものです。子どもの気持ちに寄り添った言葉かけや態度を心掛けましょう。
 そして,どんな小さなことでもいじめの解消に向け,すぐに学校に相談し,連携を図るようにしていきましょう。
 また,状況が改善されたようにみえても「またいじめられるのではないか」という不安は簡単には解消されません。温かく見守ってあげましょう。

教育・子育て電話相談員

家族・地域

.

Q1. 不仲になった思春期の姉弟

高校生の娘と中学生の息子をもつ母親です。二人姉弟で仲が良かったのですが,最近,仲が良くありません。原因は息子の命令口調と粗暴な行動のためだと思います。娘も弟と距離を置くようになり,時々理由もなく夜遅く帰宅するようになりました。父親は以前から子どもの教育に全く無関心です。今後どのように対応すればよいでしょうか。

中学生と高校生の母親

Answer

思春期のお子さんは,身体的にも心理的にも変化が大きく,突然反抗的な態度をとったり,内にこもったりすることがよくあります。これは不安定な心の状態を反映しています。この時期は,親や周囲の大人から自立し,自分なりの方向を見つけようともがく時期でもあります。学校や友人関係の悩み,家庭での反発なども増えてきます。
まず大切なのは,思春期の特徴を理解して,家族の絆を強めようと心掛けることです。そのためには,お子さんの反抗的な態度を時には温かく受け入れるとともに,誠実に向き合い,本音で対応することです。具体的には,それぞれのお子さんたちの悩みや不満にじっくりと耳を傾け,姉弟にとって良い方向に解決するために,父親にも役割を分担してもらう必要があります。両親が協力して,お子さんの悩みや不満を家庭の中で穏やかに話し合える雰囲気を作りましょう。
家族が本音で話し合い,親が真剣に子どもと向き合うことで,子どもたちが親を信頼し,日常の不安定な心が癒やされ,安心して生活を送れるようになります。そして家族や周囲に対しても思いやりの気持ちが芽生え,以前のような仲の良い姉弟に戻ることができるでしょう。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 生活が乱れた息子

中学生の息子は,入学した当時は規則正しい生活を送っていたのですが,進級に伴い生活が乱れ始めました。今では友だちの家で夜遅くまで遊んでいて,帰宅が夜9時を過ぎることもあります。何度注意しても言うことを聞きません。単身赴任の夫は月に一度帰ってきますが,帰るたびに息子と衝突し,息子は家を飛び出すことがあります。夫とは,息子のことで意見が対立し,言い争いになることが多い状況です。息子の生活の乱れを直すにはどうしたらよいのでしょうか。

中学生の母親

Answer

息子さんの行動には,必ずきっかけや原因があると思います。勉強の行き詰まりや友人関係,あるいは部活動のことなどで悩んでいるかもしれません。学校生活全般について,担任の先生に相談されてはいかがでしょうか。
また,家庭が息子さんにとって安心して心を休める場であるかどうかも大切です。父親が厳し過ぎたり,母親が過干渉で指示し過ぎたりするようなことはないでしょうか。家の中に息子さんの居場所はあるでしょうか。友だちの家が自分の存在感を満たしてくれる唯一の場所となっていませんか。
家庭は憩いの場。両親が言い争いをしている姿を見ることは,息子さんにとってつらいものです。両親が仲の良い姿を見せ,息子さんと向き合って十分考えや意見を聞くなど,常に愛情を持って真剣に考えていることが伝わる環境を築いていくことで,変わっていくのではないでしょうか。

教育・子育て電話相談員
.

Q3. 気が晴れず元気のない我が子への声かけ

 コロナ禍のせいなのか、中学校に行っても、学校行事や部活動などができずに、家にいるといつもため息をついたり、イライラしたりしています。気が晴れず元気のない我が子へどのように声かけをすればよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

 中学生の学校生活は授業だけでなく、たくさんの活動で成り立っています。そしてその活動のほとんどは友人や先輩、後輩たちとの関わり合いで成立していると言えます。実はこの関わり合いの中で、子どもたちは嬉しかったり、楽しかったり、辛かったり、苦しかったりという色々な感情のせめぎ合いを経験し、自尊感情を高めたり、辛い気持ちを共有したり、自分の気持ちのモヤモヤを調整したり、調整してもらったりしています。そういったある意味、子どもたちの生活の支えとなるものがコロナの蔓延防止対策の結果として失われ、落ち着いた時間を思うように過ごせずにいるのかもしれません。
 残念ながらこういった状況の中で、親は、友人や先輩、後輩の完全な代わりをする事はできません。親にできるのは、子どもが「そういう状況にあるのだ」という事を理解すること、そして「そのことを分かっているよ」と子どもに伝えることだけのような気がします。この場合、理解の方は簡単かも知れませんが、伝え方はかなり難しいかも知れません。
 それでなくとも対話が難しい思春期の子どもたちです、あなたに何が分かるのかと反発されることも多いにあり得るでしょうし、自分だけではどうしようもないことをさも理解していると言われても何だか腹が立つ。
 大切なのは、「何もしてあげられないけれど、お父さんは、お母さんは分かっているよ、そしていつでもここにいるからね」というメッセージを伝えてあげる事だと思います。
 それはどのような形でも良いはずです。例えば散歩やジョギングの途中で、休みの日にキャッチボールやバドミントンをしながら、それとも子どもの大好きなゲームを一緒に楽しみながらできたら最高ですね。  
(執筆時の職名で掲載しています)

茨城キリスト教大学 文学部児童教育学科准教授 小野 司寿男

問題行動

.

Q1. 子どもの外泊について

中学生の娘は最近,土曜日の夜になると外泊するようになりました。服装も何となく派手になってきたように思えます。娘は友だちのところで勉強しているから心配しなくていいと言って,行き先も教えてくれません。今後,どうしたらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

娘さんに対して,最初から否定的な言動は避けるべきすが,親としては細心の注意を払う必要があります。親の目の届かない外泊は非行の芽となる可能性があるだけでなく,安全や健康の面でも心配です。
中学生になると心身ともに成長し,親から心理的に自立しようとします。判断のよりどころを,それまでの家族から友だちに求めるようになり,友だちに認められることを重視します。まず御夫婦で娘さんの交友関係などをよく話し合うとともに,担任の先生と連絡を取り,今後の対応を相談することを勧めます。
また娘さんに対しては誰と,何人で,どこで勉強しているのか,宿泊する必要があるのかなどを確認するだけでなく,じっくりと向き合い,本人の置かれている状態や気持ちを聞くことが大切です。交際している子のお互いの親同士が連携を取りながら,子どもたちの周りに非行を誘発するような状況が常にありうることを認識しておく必要があるでしょう。
この行動をきっかけとして,社会のルールを教えるチャンスととらえたいものです。娘さんの心の変化(成長)を感知する上でも,何でも話し合える温かな親子関係をつくることが寛容です。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. 援助交際をしているかもしれない娘

中学生の娘の財布の中に,持っているはずがないほどの大金が入っていました。援助交際をしていたようなのです。娘は身体が小柄で性格はおとなしく,学校の勉強もあまり好きではないようで目立たない子だと思っていました。どうすればよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

まずは財布の中から出てきたお金が,どこからどのようにして得たものなのか,あなたの心配している通り本当に援助交際によって得たお金なのかどうか,娘さんからの説明をきちんと聞く必要があります。
もし援助交際が事実ならば早急に対応しなければなりません。どんな理由があろうとも援助交際は決して許されるものではありません。とにかくかけがえのない娘さんのことを考え,原因を明確にすることが必要です。
援助交際をしてしまう大きな要因には,一つはお金が欲しいケースと,もう一つは心理的な空虚感からのケースが挙げられます。娘さんの場合,最近になって高価なものを欲しがったり,金に困ったりしている様子がなければ,後者のケースが考えられます。
娘さんに対してはあまり感情的にならずに,ご両親が一緒になって親として案じている気持ち,大事に思っている気持ちを言葉や態度で率直に伝えることが大切です。自分が認められ,愛してほしいと叫んでいる娘さんの声をしっかり受け止め,温かくかかわってほしいと思います。
また娘さんの友人関係や学校生活の変化など,家庭では分からない面もあります。最近の娘さんの様子などを担任の先生に相談することも必要でしょう。娘さんが二度とこのようなことを繰り返さないようにしっかりと自覚させることが何よりも大切です。 

教育・子育て電話相談員

その他

.

Q1. サプリメントに頼る娘

中学生の娘ですが,肥満を気にして食事をほとんど取らずにサプリメントを取っています。食事を取るよう,繰り返し言い聞かせていますが,聞く耳を持ちません。このままでは病気になってしまうのではないかと心配です。どうしたらよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

サプリメントとは,特定の栄養素の不足を補うための「栄養補助食品」というのが,一般的な解釈となっています。栄養補助食品ですので,医薬品と比較して副作用の心配は少なくなりますが,摂取するサプリメントの組み合わせや過剰な摂取などにより,本来の効果が出にくかったり,副作用を及ぼすような場合もありますので,サプリメントへの過信は禁物です。
現在,思春期のまっただ中にいるお子さんは,身体的発達とともに,外見を含めた他人からの評価に敏感になります。自分の容姿に悩み,無理なダイエットに走り健康を害する場合もあります。しかし,今は大人になるために大切な,そして女性としての体の機能を整えるための大切な時期です。肥満を気にしすぎて,必要以上に食事を制限したり,サプリメントに頼ると,栄養のバランスを崩し,健康状態が悪くなってしまうこともあります。
自分の身長から適正な体重を把握するとともに,サプリメントに依存する生活を改め,日常の食事の習慣や生活行動から,適正な体重を保つようにすることが大切です。また,楽しみながら出来る運動を勧めたり,家事の手伝いや一緒に散歩をするなど,生活の中で,自然と体を動かす習慣を身に付けさせ,健康的な生活を送ることが一番だと思います。

教育・子育て電話相談員
.

Q2. スカートをいやがり,欠席がちの娘

娘は現在中学校1年生になりますが,2学期になってから学校を休みがちになりました。特に,病気ということもない様子のため心配していましたが,よくよく聞くと制服のスカートを着ることがいやだとのことでした。親としては戸惑うばかりです。どうすればよいでしょうか。

中学生の母親

Answer

 お子さんは性自認の悩みを抱えているのかもしれませんね。自分が男性か女性か(性自認),あるいは異性が好きか・同性が好きか(性的指向),といったセクシュアリティの問題はグラデーションであるといわれるように,どちらかにはっきりと区分されるものではありません。特に10代の間は,揺れ動く時期でもあります。もう少し様子を見てはいかがでしょうか。
 あなたが戸惑われるお気持ちはよくわかりますが,お子さんに対しては,「あなたはあなたのままでよい」ということを伝えてあげてください。あなたが一番の理解者になって話を聴いてあげることで,お子さんは安心して成長していくことができると思います。一人で抱え込まないようにすることが何よりも大切です。
 なお,文部科学省では,教育委員会や学校関係者向けに通達(「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施について」及び「性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施について」(教職員向け)等)を出して,学校も生徒の心情等に配慮した対応が求められるようになっています。お子さんの悩みが深くなるようでしたら,担任の先生に相談してみてください。

茨城県保健福祉部人権施策推進室
Loading