茨城県教育委員会へようこそ学校教育生涯学習・家庭・地域教育芸術文化・スポーツ困ったときは(よくある質問)・教育相談窓口
ホーム >  茨城県教育委員会へようこそ > 教育広報 > 「おしえて ふれあちゃん!」特設ページ

「おしえて ふれあちゃん!」特設ページ

 茨城県の教育広報誌「教育いばらき」2月号の「おしえて ふれあちゃん!」のコーナーでは、「南極地域観測隊」についてお届けしました。

 このページでは、第61次南極地域観測隊に教育関係者として同行した守谷高校の北澤佑子教諭が昭和基地から衛星中継で行った「南極授業」の様子などについて御紹介します。

 

「教育いばらき第544号」を見るにはこちらのページから

ふれあちゃんイメージ図

 

もくじ

  1. 南極から中継
  2. 「南極授業」本番開始!
  3. 南極で釣りに挑戦
  4. 氷の下の世界
  5. 南極海の生き物~ペンギンたちは何を食べている?~
  6. 海洋観測活動
  7. 夏の南極、別の姿
  8. 南極で観測する目的「地球の未来を読み解くため」
  9. 観測を行うためには
  10. 「人間も科学も育てる場所」北澤先生からメッセージ
  11. 質問コーナー

1 南極から中継

 昭和基地と中継がつながり、スムーズに音声が流れ始めました。スクリーンに映った南極の天気は快晴。第19次隊が造ったことから「19広場(いちきゅーひろば)」と呼ばれる野外の広場で、温度計の横に立つ北澤先生が現地の気温を「2℃」と伝えてくれました。南極は真夏の季節に当たり、かなり気温の高い日だということです。

 真夏でも昭和基地周辺は一面が氷で覆われた白い海が広がっています。その中に停泊している「南極観測船 しらせ」の姿が紹介されると、観客席から歓声が上がりました。

 

 昭和基地の建物紹介では、1956年の第一次南極地域観測隊によって作られた貴重な建物が紹介されました。南極は雨がほとんど降らないので、木造の建物も長持ちするそうです。

 食堂のある管理棟には、履いている長靴を消毒してから入ります。被っていたヘルメットを隊員それぞれに指定された場所に置き、廊下を進んでいると北澤先生に無線が入りました。

 

「こちら北澤です。どうぞ!」

「食堂まで来ていただけますか。どうぞ!」

 

 このように、南極では携帯電話を使用することができません。一人一人が肌身離さず持っている無線機で連絡を取りあいます。

 南極海では数少ない大型魚類「ライギョダマシ」の魚拓が貼られた廊下を進み、食堂へと進みます。食堂の階下には、「バー昭和基地」やビリヤード等ができる娯楽スペースがあり、長期滞在する隊員たちがリラックスできる空間となっています。

 食堂前には、食事のメニューが書かれた黒板が置かれており、1月25日土曜日のお昼は「ほいこーろー」だったようです。

 

2 「南極授業」本番開始!

南極の位置を示す北澤先生▲南極の位置を示す北澤先生

 

食堂には、「南極授業」のために多くの隊員が詰めかけました。ペンギンをモチーフにした「JARE61 第61次南極地域観測隊」のフラッグと、先生が勤務する守谷高校のカレンダーを背景に、北澤先生の授業が始まります。

 

 

 

 

 

 

 「南極観測船 しらせ」が停泊するリュッツホルム湾までどのようにやってきたかについてVTRで紹介されました。船が一度バックして氷を割る「ラミング航法」の際は、「乗っていると、雷が鳴ったぐらいゴロゴロ!」と迫力満点の音がするそうです。

 

 

 

 

南極の位置を示す北澤先生

▲「南極観測船 しらせ」航行の様子(VTR)

 

 しらせが停泊する辺りの氷の状況についての説明では、活動中に遭遇したペンギンの映像が流れ、会場の子どもたちから大きな歓声が上がりました。

 

3 南極で釣りに挑戦

 冷たい南極海の海ですが、そこでも生き物に出会うことができたそうです。生中継にも南極で出会った魚が登場しました。会場からは「可愛くてフグっぽい」「元気がいっぱい!」という感想がありました。

 北澤先生は、魚の顔つきをよく見ると、「目が上についていることから、この魚は海底に住むお魚じゃないかな」と、観察の結果を伝えてくれました。飼育の際には、南極の魚らしく、氷を使って容器内の水温が上がらないようにしているそうです。

 北澤先生は生き物との出会いについて「氷の海の中で釣りができて、生き物に出会うなんて感動しました。本当に生き物いるんだなって感動してました!」と、会場に伝えてくれました。

 

「ショウワギス」が釣れた!(VTR)

▲「ショウワギス」が釣れた!(VTR)

 

4 氷の下の世界

「氷の下は本当はどうなっているんだろう?」そんな疑問には、水中カメラが答えてくれました。カメラが氷の下に届くと、会場から大きな歓声が上がりました。

氷の下の世界(VTR)

▲氷の下の世界(VTR)

 

 

5 南極海の生き物~ペンギンたちは何を食べている?~

 海にいるほかの生き物についてもさらに知るため、北澤先生は「かごトラップ」を仕掛けました。・・・結果は失敗。でも、観測隊には仲間がいます。ほかの隊員が再チャレンジしたところ、ホヤ、海綿動物、クモヒトデ等の生き物が見つかりました。生中継ではこれらのほか、みんなも知っているヒトデやウニ、ナマコの姿が披露されました。

 観測隊のメンバーが南極に来てから出会ったペンギン、アザラシ、ユキドリ、トウゾクカモメなどの生き物達は、氷の世界で何を食べているのでしょうか。例えばペンギンが主に食べているのは、オキアミというエビに似た姿の生き物です。オキアミもまた、植物プランクトンを食べています。それらの関係について、北澤先生がイラストを使いながら説明してくれました。

ペンギンたちは何を食べている?
▲ペンギンたちは何を食べている?

 

 

6 海洋観測活動

 しらせは、南極に向かって航行している間にも「海洋観測」を行っています。例えばオーストラリアのフリーマントル港から南極に向かう5地点で、プランクトンネットを用いた調査を行っています。

 しらせが行っている海洋観測については、観測隊の山崎さんから紹介がありました。「海洋観測は人間でいうと健康診断」だといいます。例えば人間の血液検査では、がんや白血病などの病気について知ることができます。同じように「地球の血液」ともいえる海の状態を調べる海洋観測が、様々な地球環境の変化を理解するためには重要だそうです。

 また、観測隊の真壁さんからは毎年観測を行うことの重要性についてお話がありました。

 

7 夏の南極、別の姿

夏の南極、別の姿(VTR)
▲夏の南極、別の姿(VTR)

 

8 南極で観測する目的「地球の未来を読み解くため」

 人間活動がほとんど行われていない南極では、地球環境を正確に観測することができます。「南極は、地球の窓」ともいえるのです。これからも観測をずっと続けていくことで、「今」という点をつなげて線を描くことができます。それによって見える変化が、私たちに色々なことを教えてくれます。

 

9 観測を行うためには

 観測活動を行うためには、私たちの生活に必要なものも当然必要になってきます。例えばベッド、窓、食料、電気、お風呂のための真水等々、様々なものが必要です。みんなで作業を協力して行うので、料理人やドクター、新聞記者の方も現場で作業に当たります。学校の「日直」のような当直といった当番もあります。

 観測の際にもみんなで協力をします。北澤先生は「一つの成功をみんなで祈願するシーンもあって感動的でした」とコメントしています。

 

10 「人間も科学も育てる場所」北澤先生からメッセージ

 私がここにいられることも、私一人だけの力じゃありません。こうやって授業を今、リアルタイムで南極から中継できていることに感動ですが、私一人でできているわけじゃありません。みんなが一生懸命この授業を作ってくれているんです。そして会場の皆さん、守谷高校の皆さん、ミュージアムパークの方、ありがとうございます。みんながいろんな協力をしてここにいられることがわかりました。

 私自身、南極に来たいなあと思った理由の一つとして(南極が)「人間も科学も育てる場所」だって聞いたからなんです。心が動かされました。私は実際に南極で2か月生活できていますがそれを強く感じていて・・・(私は)南極魂を学びたくて来たんですね。南極魂ってなんだろうと思いながら毎日生活していましたが、皆さんが「他人事(たにんごと)にしない」(という意識をもって)人の幸せをみんなで祈ったり、共有したり、作っていける。そういう人達の集まりが今ここにいるんだなと思って。私は毎日それに囲まれて生活できて本当に幸せです。

 会場に妹が来ているんですけど、一番応援してくれていました。妹の姿から私も夢をあきらめないで頑張るぞと思って、3回チャレンジして3回目でここに来ることができたんですね。南極はいろんなことを教えてくれました。みんなの温かさを感じることもできていますよ。今日はここで授業を終わりにしようと思いますが、すごく緊張しました。ありがとうございました!

 

ふれあちゃんイメージ図

 

生徒の感想

 南極授業を終えて、守谷高校2年生の横堀舞雪さんは、「昭和基地からの中継で、南極の生態系などについて北澤先生から直接聞けて良かった」と話していました。北澤先生の言っていた「南極魂」について尋ねると、「南極魂、みんなと力を合わせて協力することかな、と私は受け取りました」と教えてくれました。

 

11 質問コーナー

Q 釣りをしたときの氷の厚さは?

A 場所によって違いますが、釣りをした場所は2m30cmくらいです。

 

Q 南極の氷と冷凍庫の氷の違いは何ですか?

A 南極の氷は、耳を近づけるとパチパチと音がします。大陸の氷は雪がギュッと押し固められているので、雪が降った当時の空気が閉じ込められています。近づけて息を吸うと、太古の空気が吸えるかもしれません。

(冷凍庫の氷は単に冷やして固まっているので加えられた「圧力」が違うそうです。)

 

Q 昭和基地にはどんな仕事をしている人が全部で何人いますか。

A 60次越冬隊31人と合わせて現在約100人います。研究者と生活を支える方が数多くいます。2月の初めに第60次越冬隊の31人と第61次の夏隊が帰ると、残るのは第61次越冬隊30名となります。30人が研究したり、生活を支えたりして生活していきます。

 

Q 南極は一番寒い時で何℃くらい?

A 昭和基地では9月中旬頃が一番寒く、「―45.3℃」です。一番温かい1月の終わりの時期では、過去最高で「10℃」になったことがあります。平均では「―10.4℃」です。

 

【この記事について】

 この記事は、県立守谷高校と国立極地研究所が合同で開催した2回※の「南極授業」の様子を元に構成したものです。(南極・昭和基地と衛星回線を通じた生中継を2020年1月25日ミュージアムパーク茨城県自然博物館で、同月27日に県立守谷高校で行われました。)
今後、北澤先生は3月に帰国し、南極での経験を茨城県の子供たちに伝える活動を行う予定となっています。

 

お問い合わせ

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6 茨城県教育庁 総務企画部 総務課[県庁舎22階]

電話 029-301-5148・5152(調査・広報担当)  FAX 029-301-5139

E-mail kyoikusomu8@pref.ibaraki.lg.jp