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クイズ王、QuizKnock編集長 伊沢拓司さん ~「楽しい」から始まる学び~

 

伊沢拓司さん

 

 クイズ王として知られる伊沢拓司さんは、桜川市生まれで、東京大学在学中にQuizKnockを立ち上げ、YouTuberとしても活躍しています。

 本県では、子供達の郷土を愛する心の醸成を図るため、平成25年度から県内の中学2年生を対象に「いばらきっ子郷土検定」を実施しており、2020年の第7回大会にスペシャルゲストとして参加していただいた伊沢さんに今回お話を伺いました。

 

 いばらきっ子郷土検定のパンフレットに「生まれ故郷の茨城県が7年連続魅力度ランキング最下位にあることを憂慮し、茨城を元気にしたいとの思いで今回郷土検定県大会にやってきました。一緒に茨城を盛り上げていきましょう」とコメントを寄せていただきました。

 

茨城県の魅力に気づく

ー伊沢さんは桜川市生まれということですが。

 毎年お正月は茨城で、富谷観音(小山寺)に必ず初詣に行き、甘酒を飲み、おみくじを引くというのが、定番でしたね。両親ともに岩瀬町(桜川市)出身、祖父母も皆茨城なので、岩瀬の駅は何度となく利用しましたし、その近くに雨引山、雨引観音(楽法寺)がありますよね。あの辺りまでよく山を登りました。

 全国各地を仕事で巡って講演会をやっているんですけど、改めて茨城の魅力に気づくことがたくさんあります。何と言うか「47位キャラ」になっている。潜在的な魅力度でいったらもう相当(高い)、全国有数だと思います。本当にそう思いますね。

 

ー「魅力度が低い」と言われると「そうなのかな?」と思ってしまう方も・・・

 そうですね。ネガティブマインドになるところがあると思うんですけど、よく見てみると、いいところがいっぱいありますし、茨城は経済力も相当強い。交通の便もいいですし、とても茨城はいいところだなと思います。

 

きっかけは何でもいいと思います

ー伊沢さんの子供のときの話を伺いたいのですが、昔から勉強は好きでしたか。

 小学3年生ぐらいまではむしろ苦手で、九九とか、七の段が言えなくて教室の前で発表させられたりしていましたね。勉強が好きになったきっかけは、塾に行き始めたタイミングだったんですけど、塾の模試で上位になると、塾からゲームソフトがもらえると。ゲームボーイの本体を持っていなかったので、ソフトをもらえば、本体を買ってもらえると踏んだんですね。それが僕、勉強頑張りはじめたきっかけだったんです。

 やっているうちに楽しくなってくるというか、邪(よこしま)な気持ちで始めているうちに、目的が、そのゲームをもらうことから、ゲーム感覚で友達に勝つことになったんですよね。負けず嫌いな気持ちが次第に目的になっていって、やっているうちに勉強ができるようになって、「あ、得意かもしれない」っていうふうに気づくというステップ。きっかけは何でもいいと思いますね。

 

出せる範囲で全力投球

ー体育や美術などの科目は好きでしたか。

 中学生の頃はむしろそっちの方が好きで。それが今、仕事にとても役に立ってますし、学校で教わった美術だったりとか体育だったりとか、将来的な選択肢を広げてくれるので、とりあえず中学生、高校生のうちは全部に全力を出せばいいと思います。何が後で役に立つかなんてわからないので、自分の出せる範囲で良いので、全部全力投球すると成長があるし、見えてくるものもいっぱいあるなと思います。

 

知っていることは偉いことじゃない

ー学校生活の中で印象に残っていることはありますか。

 小学6年生のとき、社会の授業中に先生が生徒に質問をしていたんですね。手を挙げて答えようとしたんですけど、どうやら僕は、頬杖をつきながら手を挙げたらしく先生にバチバチにキレられまして、
「知っていることは偉いことじゃないぞ。知っているというのは、知っているということ以上の価値を持たないんだ。ただ知っていることで威張るな」
というふうにそこで言われました。それが今の自分にもすごく効いてきているというか、一個の知識を取り上げて知っているか知らないか、それで何か決まるわけじゃないんだというのを今になってとても思いますし、知識に携わる仕事をしてきた自分にとっての戒めというか、指針になっていますね。

 

発想を生む力

ー本日の郷土検定では、子供達に楽しみながら本県の伝統や文化を学んでもらいたいと思っています。知識を深めていくことのメリットはどんなところにあると思いますか?

 まず「知っている」と、新しい知識に触れ合いやすくなるんですよね。例えば都道府県の地勢、茨城県では常総市、阿見町、北茨城市、つくばみらい市…どこにあるかがわかると、位置感覚が掴めるおかげで入ってきやすい知識があるわけです。

 例えば「鹿行のあたりは、行方市と、鹿嶋市は近くだから産業も似ているんだ」とか、「県北の方は地勢がこうだから、同じような作物が多いね」とか、知識があるとどんどん新しい知識を入れやすくなるというのがいいことかなと思います。

 

伊沢拓司さん

 

 もう一つは、知識があると発想が生まれるんですよね。「0」から「1」を産もうとしてしまう力を発想力だと認識してしまいがちなんですけど、知識がないと発想は生まれない。筑西と桜川で両方とも小玉スイカができるのは隣り合ってるからだとすれば、隣り合ってる地域では同じような産業ができるんじゃないかという発想が生まれたりとか。

 方法・知識がないと「0」のままなので、発想が生まれないですね。ちっちゃないろんなものを集めていこうとするその集め方(例:0.1を集めて1にするような方法)のことを「発想力」と僕は呼んでいるので、知識があると発想に繋がる、というのもいいところだと思います。

 今回、未来ある若者達が茨城県の知識を集めるというところから、新しい発想が生まれて、さらに茨城県を盛り上げてくれるという両面で、とても楽しみだなと思います。

 

心を開いておく

ー子供達も、伊沢さんの知識の豊富さに「すごい」と思っていると思うのですが、知識を増やすために大事なことや、それぞれの知識をつなげるコツなどはありますか。

 「心を開いておく」というのが一番大事だろうと思います。窓から景色を眺めていて、筑西のあたりを通るとでっかいスイカの看板とかよくあるんですよね。スイカの町みたいなことが書いてあったりするわけです。小学生の頃だと思うんですけど、この辺りはスイカが名産なんだなと思ったりしたんですよね。

 心を開いて、ふと目に触れたものに対して少しだけ関心を払ってあげると、そこからどんどん知識が入ってきて、自分が持ってる知識と繋がり合うわけですね。新たな知識を身につけるためにはもともとの知識が必要なんだけれども、その上で身の回りのいろいろなものに対して心を開いておくだけで、ちょっと気にしてあげるだけで、心に引っかかってくるものがあると思います。

ー伊沢さんはクイズの出題者となることも多いと思いますが、回答を出す以上に、問題を出すことも重要だったり難しかったりすると思います。良い問題を作るために考えていることはありますか。

 一番気にしてるのは、常に相手のことを考える。まずは、誰がターゲットなのか、そして正解はどれぐらい出した方がいいのか。どうなって喜んで欲しいのか、全問正解の喜びだったりとか、周りとバトルする喜びだったりとか、求められてるものって場によってすごく違うので、誰がどういう感情になりたいかというのが一番大事だなと思ってます。常にお客さん目線に立つというのは、一番大事にしてます。

 

郷土検定県大会の様子

▲郷土検定県大会の様子

        

※この日も、中学生のために問題を用意していただきました。伊沢さんのコメントと一緒に一問掲載しますので、ぜひ挑戦してみてください。(答えはページの最後)

 

「今回茨城県に関する問題を用意しましたけど、皆さん相当対策をしてきていると思うので、本会の主題とはちょっと違う視点で、頭を使いつつ知識も使いつつという問題を用意しました」

 

<Q 三択問題>次のひらがなのうち、茨城県の44市町村名に出てこないふりがなは?
1 せ
2 の
3 わ

 

1回で覚えられないという前提をまず持つ

ー伊沢さんに勉強を教えてもらいたいという声もあります。勉強のコツはありますか。

 僕が何よりも重視しているのはやっぱり「復習」です。どんなにスーパーな東大生でも大半は復習をしてます。そして、1回見たことは忘れます。なので、「1回じゃ覚えられない」というのは前提として持っていてほしいんですね。

 その上で僕がやっていたのは、例えば単語帳だったら、10ページ~15ページに区切って、全部完璧になるまで何度もやる。これはもう本当に1回じゃ覚えられない前提に立っているので、一日に3回、5回、10回と繰り返して、翌日翌々日も繰り返す。

 さらに、よく間違えた問題というのは、またすぐ忘れてしまうものなので、再度また時間を空けて見る。徹底的に、人間は忘れるという視点に立って勉強していくということは大事にしていました。結局どれだけ勉強しても(テストでは)点が取れなければ意味がないので、あまり歩みを先に進めようとせずに、三歩進んで二歩下がる、のイメージ感でやるというのを大事にしていました。

 

基礎がしっかりしているからこそ

ーこれからの子供達に必要な学びとは、なんだと思いますか。

 新しい時代になると言われて、仕事の幅が多様になり、選択肢も多様になり、というところで既存の枠にとらわれずにチャレンジをしていただきたいと思うんですけど、そういう中だからこそ、基礎力というか、何にでも対応できるような、ベースメントの力がとっても大事になってくると思います。

 小中の教育というのはそれを作ってくれるものだし、義務教育の範囲で学べることというのはとっても大事にするのがいいと思います。基礎がしっかりしているからこそ、どこへでも羽ばたけると思うので、まずは基礎的な、小中の教育というのはしっかりと頭に入れておくとどこに行っても苦労しないかな、と思いますね。

 

無知を恥じず、無知に甘えることに恥じる

ー伊沢さんが「大切にしていること」はありますか。

 変わっていくとも思うんですけど。一番大事にしてるのは、「間違ったら改める」ということだけはしっかりやると。「無知を恥じず、無知に甘えることに恥じる」という座右の銘をいつも使ってるんですけど、間違っちゃうのもしょうがないというか、僕もめちゃくちゃクイズで間違ってきて、間違い慣れしてきてはいるんですよ。

 ただ「間違えたら必ず復習する」という、このことだけは、常に心がけようと思ってます。いろんなことが相対的に揺れることが多いですけど、自分にとってこれだけは絶対だなと思ってます。

 

伊沢拓司さん

 

 

郷土検定県大会終了後インタビュー

 終了後は、郷土検定県大会に参加して頂いたQuizKnockメンバーの須貝駿貴さんと共に、お話を伺いました。

 

-御出演ありがとうございました。本日の郷土検定県大会、感想はいかがでしたか。

(伊沢さん)

 全員がぶつかり合った何よりの証拠としては、誤答がたくさん出たと思いますけど、それはやっぱり、皆さんがいろんな可能性を事前に準備していたからこそ、誤答が出たと思うので、そういう意味では本当に試合としてレベルの高さが良かったなと思います。観るもの、エンターテイメントになってます。

 

(須貝さん)

 いい取組だな、というのが一番最初にくる感想です。グローバル社会とかってよく言いますけど、外国の方と何を話すか、話すコンテンツのきっかけになる取組だなと。英語しゃべっても話すことがないとコミュニケーションが生まれませんから。地元を自慢できるようなきっかけになる取組なんじゃないかと思っていて、これで子供達が、いろんなことを継承して、広めてくれればというふうに思いますね。

 

「一生懸命」を応援してあげてほしい

ー子供達に「力を身につけてほしい」と思っている保護者の方も多いと思います。子供の力を伸ばすために必要なことについて、保護者の方へメッセージをお願いします。

(伊沢さん)

 今日の大会を見て、一生懸命であることって、すごく意味があるんだと思ったんですよね。みんな一生懸命にやったからこそ、記憶に刻まれて、一生懸命にやったからこそ、負けてもなお残るものはあるなと思いました。でもそれって負けてもいいやと思って臨むからではなくて、勝つんだと思って負けることで得るものがあると思ったので、ぜひ保護者の方はその「一生懸命」を応援してあげてほしいですね。

 

伊沢さんと須貝さん

 

(須貝さん)

 保護者の方がという意味では、一緒にやることが重要だと思っていて、子供がちゃんと勉強している間に、親も一緒に勉強する。リビング勉強とか流行ってますけど、そういうことも大事かなと思います。

 

思い出も復習してほしい

ー子供達はこれから夢や目標に向かってどんどん向かっていく年代だと思いますが、そういう子供達に向けてメッセージをお願いします。

(伊沢さん)

 今回は、知識を競うという大会だと思うんですけど、最終的に残ったものって知識だけじゃなかったと思うんですね。発見もあったと思うんです。地域に対してだったりとか、チームメイトに対してだったりとか、なのでぜひ発見を振り返る癖をつけるといいかなと思います。今回たくさんいいことが見つかったと思うので、それを思い出して、折々それに触れると前に進む指針になるんじゃないかなと思います。今日の思い出も復習してほしいですね。

 

(須貝さん)

 今日勝ったり負けたり、嬉しかったりとか。もうちょっとだったなって思う気持ち、すごく大事にしてほしいです。もっとこだわってもいいと思う。勝負だけじゃなくてもいいかもしれないけれども、何かすごくこだわって、こだわった先の、嬉しいとか、悔しいとか、そんな気持ちを、これからも大事にしてほしいですね。

 

「楽しいから始まる学び」

ー最後に、今後の夢や目標を教えて下さい。

伊沢拓司さん

 

(伊沢さん)

 夢や目標というと「楽しいから始まる、広げていく」というところに尽きるんですけど、多くの人を巻き込んでいければいいなと思います。これまで経験させていただいた楽しかった学びを、なるべくいろいろな方に、それぞれに合った形で届けたいと思うので、楽しいから始まる学び、遊んでるうちに気づいたら知識がついていたような体験をたくさん提供できたらいいなと思いますし、僕はそれをクイズだったり、QuizKnockという会社の活動で伝えていければなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 

A 【正解 2】

1「せ」は、筑西市 3 「わ」は河内と桜川 「の」はありそうですが、ありません。

 

【伊沢拓司さんのプロフィール】

伊沢拓司(いざわたくし)

桜川市生まれ

開成高卒/東京大学経済学部卒

YouTuber/webメディアQuizKnock編集長

TBS系『東大王』出演中

日本テレビ系「全国高等学校クイズ選手権」優勝

東京大学在学中にQuizKnockを立ち上げる。

 

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