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【平成23年東日本大震災関連情報(教育関係)】

東日本大震災における茨城県文化財の被害状況

茨城県の文化財被害の状況

3月11日に発生した東日本大震災により、本県の文化財も甚大な被害を受けました。
文化庁のホームページによると、国指定等文化財の全国の物的被害総数744件のうち、茨城県は182件(平成24年3月1日現在)と最も被害件数が多く、全体の4分の1を占めています。

 

国指定等・県指定・市町村指定文化財の被害状況

平成24年3月1日現在


種類

全指定件数
被害情報
件数 割合
国指定 116 31 26.7%
国登録 245 151 61.6%
小計 361 182 50.4%
県指定 683 81 11.9%
市町村指定 2,331 202 8.7%
合計 3,375 465 13.8%

被害の大きな文化財としては、水戸市にある国指定特別史跡・重要文化財「旧弘道館」が、正庁(学校御殿)の漆くい壁が落下したほか、学生警鐘(鐘楼)が倒壊、さらには弘道館記碑(德川斉昭により弘道館建学の由来を記載)の損壊等の被害がありました。

 

旧弘道館 正庁の漆くい壁の被害
▲旧弘道館 正庁の漆くい壁の被害
旧弘道館 倒壊した学生警鐘
▲旧弘道館 倒壊した学生警鐘
旧弘道館 弘道館記碑の損壊
▲旧弘道館 弘道館記碑の損壊

また、国指定史跡・名勝「常磐公園」(偕楽園)が、南崖部分に地割れが多数発生し、好文亭の襖戸や雨戸などの建具類に大きな被害を受けました。

偕楽園 南崖部分の地割れ
▲偕楽園 南崖部分の地割れ

さらに、昨年6月に重要伝統的建造物群保存地区に茨城県で初めて選定された桜川市真壁伝統的建造物群保存地区内にある多くの伝統的建造物に瓦の落下や外壁の亀裂などの被害がありました。

桜川市真壁伝統的建造物群保存地区 屋根や外壁がき損した伝統的建造物
▲桜川市真壁伝統的建造物群保存地区 屋根や外壁がき損した伝統的建造物

この他にも、北茨城市にある岡倉天心ゆかりの建造物である国登録有形文化財「茨城大学五浦美術文化研究所六角堂」が津波により土台を残して流出したほ か、常陸太田市にある国指定重要文化財の「旧茨城県立太田中学校講堂」の屋根瓦の多くが落下するなど、建造物を中心として多くの被害を受けました。

旧茨城県立太田中学校 (現太田一高)講堂
▲旧茨城県立太田中学校 (現太田一高)講堂

 

修理・復旧に向けた取組み

文化財は、我が国の長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられた貴重な国民的財産であり、震災で被災した文化財の修理・復旧(以下「修復」とします。)を図ることは喫緊の課題といえます。
また、文化財の修復に当たっては、文化財としての価値が減少することのないよう細心の注意を払って対応する必要があることから、所有者の費用負担は大変大きなものがあります。
このため、国により災害復旧の助成措置が講じられていますが、種別により補助内容に差が生じています。例えば、国指定文化財は修復費用について最大で 85%の補助がありますが、国登録文化財は設計監理費のみ対象で70%の補助、県・市町村指定文化財に対しては補助はありません。
茨城県では、今回の震災が未曾有の災害であることに鑑み、従来の制度を超えた助成措置を講じるよう、国に対して要望しているところです。
また、現在、茨城県では文化庁の専門調査官や茨城県文化財保護審議委員等の専門家を派遣して、被害状況調査と応急措置や修復方法等の技術的な指導・助言を行っているところです。
さらに、筑波大学及び茨城大学の先生の御協力をいただき、文化財レスキュー事業を実施して、津波の被害を受けた絵画や古文書の修復や緊急保全措置等の支援を行うなどの支援策を講じています。

 

※文化財レスキュー事業・・・被災した文化財(主に彫刻・絵画・古文書・考古資料等)の救出及び安全な場所への一時保管、修復方法等の指導を行う。

 

文化財レスキュー事業の実施状況 古文書の応急手当
▲文化財レスキュー事業の実施状況 古文書の応急手当
文化財レスキュー事業 掛け軸の応急処理
▲文化財レスキュー事業 掛け軸の応急処理

 

各層の支援の動き

このような中、文化財の所有者や管理者の間では、早期の文化財の修復に向けた取り組みも進んでいます。
津波で流出した北茨城市の六角堂を所有する茨城大学では、6月6日(月曜日)から4日間にわたり海中捜索を行い、屋根瓦など数十枚の引き上げに成功しました。

しかしながら、塩害等により再利用は難しく、古い部材を活用して再建することは断念せざるをえませんでした。このため、茨城大学では、創建時の明治38年当時の姿を復元することを目指して、現在茨城県建築士会などの協力を得て、復元作業を実施し、平成24年3月中に完成する運びとなりました。
なお、茨城大学では、「岡倉天心記念六角堂等復 興基金」を創設して、広く国内外から寄付を募り、六角堂再建のための資金に充てたいと考えています。募金者には、所得税 及び法人税法の「地方公共団体の 寄付金」に該当しますので、税法上の優遇措置を受けることができます。(茨城大学ホームページへ)
また、偕楽園(常磐公園)については、復旧作業が順調に進み、平成24年1月には作業が終了し、観梅の季節に間に合わせることができました。
さらに、旧弘道館についても、管理者である県土木部公園街路課において、所有者である文部科学省と協議して、復旧に向けた検討が進められています。
他の文化財についても、所有者の皆様はもちろんのこと、国・県・市町村等の行政機関や関係者のご尽力により、修復作業が終了、または、修復に向けた検討が進められているところです。
さらに、県内外の各団体から、文化財に対する様々なご支援の声もいただいております。

 

本県といたしましては、早期の文化財の修復を進めてまいりますので、今後とも、引き続き、皆様のご理解・ご支援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 

 

お問い合わせ

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6 茨城県教育庁 総務企画部 文化課[県庁舎21階]

電話 029-301-5447(埋蔵文化財担当)  FAX 029-301-5469

E-mail bunka@pref.ibaraki.lg.jp