中世城館跡総合調査事業
茨城県の中世においては、のちに戦国大名として一大勢力となった佐竹氏をはじめ、小田氏、真壁氏など、多くの武将たちが群雄割拠し、それぞれの地を治めていました。県内には、そうした武将たちが軍事や住まいの拠点とした痕跡が城館跡として各地に残されています。
しかし、これらの城館跡は、時間の経過により土塁は崩れ、堀は埋まり、森林におおわれてしまえば、その所在を知ることは難しくなります。また、その範囲が不明瞭であるため、調査・保護の手が届くことなく、開発行為に伴い破壊されてしまう場合もありました。
こうした現状を改めるため、県内の中世城館跡について、遺構の所在・構造・現況・範囲等を悉皆的に調査し、さらに古文書・古絵図・地名・伝承等の資史料で裏付けることによって、新たな歴史的遺産としての価値を掘り起こし、遺跡としての保存・整備・活用のための計画策定や、新たな史跡指定に向けた基礎的資料の整理を図るために、本事業を開始しました。
概要
調査期間
平成30年度から5か年
調査範囲
県内全域(水戸地区、県北地区、鹿行地区、県南地区、県西地区の5地域に区分することを基本とするが、当時の各氏族・勢力の支配領域にも配慮する)の中世城館跡
調査内容
中世城館跡の現況・遺構の確認、城館跡の構造・城館跡を含む歴史的景観の復元、城館跡に関する歴史的背景の調査
調査組織
「茨城県中世城館跡総合調査委員会」を設置し、専門委員と調査員が地区毎に役割分担(遺跡選定・解説、史料、縄張図作成など)して調査を実施
調査成果
調査5年目の最終年度に調査の成果をまとめて報告書として刊行
令和3年度の調査
調査事業が4年目を迎えました
平成30年度から実施している本調査事業も4年目を迎えました。コロナ禍で行動が制約される中、着々と調査が進んでいます。今年度は調査成果をまとめ、順次原稿執筆にとりかかっていきます。
▲オンラインを用いた委員会の様子
令和3年度第2回目の委員会を開催しました
11月30日に、鹿嶋市において第2回の委員会を開催しました。
午前中は、原稿執筆の際の確認などを全体で行いました。
午後からは、鹿嶋市の林外城でフィールドワークを行い、縄張図の描き方などの研修を行いました。天候にも恵まれ、成果のあった1日となりました。
▲全体会 |
▲城館跡での現地研修 |
令和3年度第3回目の委員会を開催しました
3月3日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全委員及び調査員のリモート接続による、第3回目の委員会を開催しました。
文献調査や縄張図作成、原稿執筆などについて、課題を共有し、今後の活動に見通しを持つことができました。令和4年度末の調査報告書刊行に向け意義のある委員会を開くことができました。
▲全員リモートで参加
令和2年度の調査
順調に調査が進んでいます
中世城館跡の悉皆調査も3年目となりました。文献等では分からない中世城館の全体像を知るために、調査員は現地調査も行います。虫刺されなどにも注意しながら、フィールドワークを続けています。
▲茨城町小幡城の現地調査
令和元年度の調査
平成30年度の調査
お問い合わせ
〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6 茨城県教育庁 総務企画部 文化課[県庁舎21階]
電話 029-301-5447(埋蔵文化財担当) FAX 029-301-5469
E-mail bunka@pref.ibaraki.lg.jp