国指定文化財 建造物
かしまじんぐうせっしゃおくのみやほんでん(つけたり むねふだ1まい)
鹿島神宮摂社奧宮本殿(附 棟札1枚)
三間社流造。この建物は慶長10年(1605)、徳川家康によって造営された神宮の旧本殿で、元和5年(1619)、徳川秀忠の社殿造替に際して現在地に移され、奧宮本殿としたものです。
間口を3間とし、前庇の屋根を一連に葺き連ねた流れ造りで、現在、庇の床を高く張り、前庇の前に1間の向拝を付していますが、これらは後に修理の際現本殿の形式に倣って改造したものとみられます。
身舎の柱は円柱、庇は角柱とし、組物は出三斗、庇には蟇股を置き、軒は二軒繁垂木で、妻は豕扠首です。
身舎の梁間を2間とし、縁を四方にめぐらし、扉口も正面中央間に設けるのみで、ほかは連子窓や板壁とするなど神社本殿の古い形式を伝えています。
全体に木割りが大きく、白木造りであるなど意匠も簡潔ですが、蟇股や柱状の木鼻の彫刻などには桃山時代の豪放な気風がうかがわれます。
境内の社殿中もっとも古く、元和年間(1615~1624)以前の社殿の形を伝える建造物として貴重なものです。
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