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県指定文化財 有形民俗文化財
ささらししがしら

ささら獅子頭 3点

 当該獅子頭は、雄獅子2頭、雌獅子1頭で構成される3頭揃いの獅子頭で、昭和29年(1954)に市内下町の屋台蔵から発見されました。この3頭は、関東地方を中心として東日本に広く分布している三匹獅子舞(風流系三匹獅子舞)の獅子頭に類似しています。三匹獅子舞は、基本的に雄2頭と雌1頭が1組となり、1人が1頭の獅子頭を頭上に戴き、腹部に太鼓や鞨鼓をつけて踊る舞です。
 このささら獅子頭3頭は、平成8年(1996)に東京都町田市立博物館で開催された特別展「獅子頭―東日本を中心に―」に展示されました。その図録説明に「風流系の獅子頭の最古のものとなり、風流系獅子舞の従来の発生説の江戸時代初頭を大幅に遡る」と記されています。永正14年(1517)という墨書が真実であるならば、従来最古の墨書を有する獅子頭とされてきた福島県いわき市鹿島神社所蔵の寛永8年(1631)より114年も古い事例となります。角有雄と雌の頭部裏に記された墨書については、複数の専門家による所見を得ており、筆跡、筆勢などからみて真実と認められました。一般的に年月記入の時期は、製作年月または奉納年月であり、そのどちらと考えても問題はないといわれます。また、頭部裏に墨書がある雌雄2頭の獅子頭は、同一桐材を使用して専門家に近い作者が製作したらしい統一性のある形容が伺えるのに対して、角無し大型雄は後に角有り雄を模倣して、素人に近い作者によって製作されたであろうことが推測されます。また、その年代差は先の2頭に遅れること半世紀以内であろうというのが専門家の意見です。
 当該ささら獅子頭3点が、墨書のように永正14年(1517)当初から風流系三匹獅子舞、すなわちささら獅子舞に用いられていたとは考えにくく、当初は雌雄2頭の獅子頭によって、古くから伝承されてきた魔除けや火伏の祈祷などを行っていた可能性が大きいと考えられます。しかし16世紀半ば過ぎにもう1頭の大型雄獅子を加え、争いの場面を演じてみせる「雌獅子隠し」という演目を考案し、常陸の戦国武将であった佐竹氏一族の戦勝祈願に踊ったのが、関東以北の風流系三匹獅子舞の発生ではないかと推測されます。
 このような推測は、このささら獅子頭3点の存在が、従来芸能史研究の成果として、風流系三匹獅子舞の発生を江戸時代初頭としてきた定説を覆し、その発生を半世紀も遡ることを可能にします。したがって、当該ささら獅子頭3頭は、貴重な有形民俗文化財といえます。

 

 

ささら獅子頭 3点

 

指定年月日 平成16年11月25日
所在地 常陸大宮市中富町1087番地14
管理者 第6区
制作時期 室町時代

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