県指定文化財 彫刻
もくしんかんしつにょらいぎょうざぞう(つけたり、かんしつだんぺん64ぺん)
木心乾漆如来形坐像(付乾漆断片64片)
仏性寺(ぶっしょうじ)の境内にある栗山観音堂(くりやまかんのんどう)の本尊です。
像高59.4cm、欅(けやき)材、木心乾漆造(もくしんかんしつぞう)、錆下地漆箔(さびしたじしっぱく)の像です。
頭・躰幹部・両肩・両足部を含めて木心を中心に籠めた一材から彫成し、背面に長方形の内刳(うちぐり)を施し、蓋板を当てています。
衣は左肩をおおって右肩上に懸かり、右腋下を巡って再び左肩をおおい、その端は背後にかけています。
頭部及び結跏跌坐(けっかふざ)と思われる両足部は、木心のままで乾漆部分が剥落していますが、両足部分の乾漆断片64片が現存しています。
このような木心乾漆造は、奈良時代後期に官営造仏所(かんえいぞうぶつしょ)で成立し、平安時代初期、9世紀には消滅する造像技法の一つです。
遺品は近畿地方に集中し、地方にはほとんどなく、本例は東日本における唯一の作例です。
製作年代は、技法や作風から9世紀前半ころの様式に即応し、関東・東北で最も古い木彫像の一つです。
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