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いばらきの教育自慢 vol.10 ~思考力・判断力・表現力を育もう!~結城市立江川北小学校の取り組み~~

言語活動の充実に向けて

 

 児童生徒の思考力、判断力、表現力等を育む観点から、言語活動の充実が新しい学習指導要領に位置付けられました。
 各学校では、それらの力を育むための工夫を凝らした独自の取り組みを行っています。
 ここでは、結城市立江川北小学校の取り組みを紹介します。同校では、国語授業について、教科書の文章を詳細に読解する一斉授業から、児童が自分で考える問題解決的な学習ができる授業への転換を図る取り組みを行っています。

 

取り組みのきっかけは東日本大震災

 同校では、22年度から国語の授業に関する研究を始めました。学校の中で、どのような方向で授業を進めていくかを話し合いました。
 そのような中、22年度末に起きた東日本大震災。実際に避難をして、戸惑う児童たちを見
て、「子どもたちにつけなければいけない力は何か」を学校全体でしっかり考えなければいけないと感じたそうです。
 そこで、震災のような突然の出来事があった場合にも、戸惑わず周りの人とコミュニケーションがとれるよう、「言葉の力」をしっかり身につけさせようと取り組みを始めました。

 

はじめは教員の間でも戸惑いがありました

 国語の授業を改善しようということで、教科書の文章を読解する一斉授業から抜け出し、児童が主体的に読書などを通して自分の考えを表現できるような学習活動を目指しました。文章に関連した本を読む「並行読書」を全学年で実施したり、1年生では読んだ本の中で気に入った文章を紹介しあう「読書郵便」に取り組んだりしました。また、3年生は読んだ民話のおもしろさを交流会で伝え合うなどし、児童が自分で考え、話し合う“問題解決的な学習”に転換しました。
  

 

グループで話し合います

▲グループで話し合います


 授業改善に取り組み始めた当初は、教員の間でも「本当にこのやり方で力がつくのか」という戸惑いが大きかったそうです。しかし、1~2年継続して取り組みを進め、ある程度形が見え、また徐々に児童たちの変化が見られるようになり、「このやり方で間違っていない」という確信を持てるようになったそうです。

特に工夫をしたところは?

 当初は、自分の考えを積極的に発表していくことに自信が持てない児童が多かったそうです。また、授業の中でグループごとに話しあう場面で、なかなか話を切り出せないということもあったそうです。
 そのため、自分の意見をしっかり持たせるためのワークシートやグループでの話し合いをするときの進め方のシートなどを作成し、少しずつ自分の考えを発表できるような手助けをしていきました。

 

司会進行用のワークシート

 ▲司会進行用のワークシート

  流れにしたがって細かく進め方が書かれています

教員の意識にも変化がありました

 以前は、国語は教材を通して読む力や考える力を子どもたちにつけさせるということはわかっていたけれど、授業では、教材を読み解くことに終始しがちになっていたそうです。
 しかし、この取り組みを始めたことで、「この単元では、子どもにこういう力をつけさせたい」というねらいを最初に考えるようになり、そのためにどう授業を構成するのか、教材をどう使っていくのかという意識で授業にあたるようになっていったそうです。

子どもたちの成長

 授業の改善を始めた当初は、戸惑いが大きかった児童たち。しかし、先生たちが工夫して作成したワークシートや学習シートなどを使い、何回か授業を行ううちに、最初はなかなか自分の考えを話せなかった児童も、自分の考えを話すことやグループで学習することに抵抗はなくなってきたそうです。

 

自分の考えをしっかり発表します  

▲自分の考えをしっかり発表します


 また、取り組みを続けることで、自分の考えをまとめる力や表現する力も徐々に身につき、国語だけではなく、算数などの教科においても問題を読み解く力があがるなどの成果が見られるようになったそうです。
 さらに、国語の力がつくことで子どもたちの読書に対する姿勢も変わってきたそうです。読む本の幅が物語だけではなく、図鑑などにも広がったり、また単元でやった同じ作者の別の作品や同じテーマを主題にした作品など読んだりするようになったそうです。

教員の願い

 22年度からはじめた国語の授業改善に関する取り組み。友達と一緒に学んでいく力や問題に粘り強く取り組む、そして創造的に取り組む力を児童たちに身につけてほしいという教員たちの願いとともに、今後も継続して続けていきます。

 

 

 

中心となって授業改善に取り組みました

▲中心となって授業改善に取り組みました

 

 江川北小学校の国語の授業改善への取り組みは、学校や地域での優れた教育実践を表彰する「第64回読売教育賞」で、国語教育部門の最優秀賞に選ばれました。江川北小学校の取り組みは、1時間の授業の進め方から細かく整理されており、どこの学校でも実践できるようになっており、他の地域の学校にも広がってきています。

 

 

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