小中学校における多様な指導方法実践事例報告について (ティームティーチングについて)
1 趣旨
平成9・10年度の多様な指導方法研究推進事業における研究指定校の研究成果をまとめたもので,具体的には学習課題や児童生徒一人
一人の学習の進度などに応じて,複数教員が協力して学習指導を展開したTTによる指導方法の工夫改善の実践事例集を作成した。
2 事例集の内容
(1) 研究教科・領域等 全教科領域
(2) 研究指定校 小学校8,中学校5 計13
(3) 事例数 48
(4) 主な事例
@ 複線化された学習内容を意欲的に取り組ませるTT(麻生中学校)
−第1学年社会科歴史的分野における追及活動とまとめる場面の指導を通して−
ア 対 象 学級チーム・第1学年社会科
イ TTの方法と学習の型 3人TTによる課題別編成による歴史学習
ウ TTの指導場面 導入(一斉)→展開(TT)→終末(一斉)
エ 具体的な活動の様子
(展開)調べ学習の場面でTT指導を行う
Aコース(諸産業の発展を調べるグループ:T2)
Bコース(戦国の世を調べるグループ :T1)
Cコース(室町文化とその広がりを調べるグループ:T3)
(終末)発表会(各グループごとに発表する)のグループ別支援
A 習熟の程度に応じたTTによる役割分担(機初小)
−第6学年算数科における自力解決のきめ細かな支援をするためのコース別学習−
ア 対 象 前半:学級チーム 後半:学年チーム 第6学年算数科
イ TTの方法と学習の型 前半:学級TT,後半:学年TT
ウ TTの指導場面 前半 学級で担任と加配等でTT 後半 学年で習熟度別に分け4人TT
エ 具体的な活動の様子
授業の後半はクラスの枠を外して学年合同のTTとし習熟度別に3コース
を設定し,選択できるようにした
・ピカチュウコース(多くの援助を必要とする児童)T1,T4が指導
・カメールコース (少しの援助を必要とする児童)T2が指導
・カブトコース (自力解決ができる児童) T3が指導
B 他教科の教師の支援を積極的に取り入れたTTの指導(金砂郷・南中)
−第1学年理科「植物の生活と種類」の指導を通して−
ア 対 象 学年チーム・第1学年理科
イ TTの方法と学習の型 3人TT(他教科)によるグループ発表会
ウ TTの指導場面 理科担当が主となり,美術,国語の担当が関係場面で支援
エ 具体的な活動の様子
課題別に組まれた理科研究グループの発表会の準備,実施に美術,国語
の教師がイラスト作成や発表資料収集等の専門性を生かした支援を行う。
C 総合的な学習を取り入れたTT指導(下稲吉東小)
−第5学年国語科における表現力を育てる指導の中で-
ア 対 象 学年チーム 4人TT
イ TTの方法と学習の型 4人TTの課題別学習
ウ TTの指導場面 展示館見学(TT教師の仕掛け)→課題別グループ調査活動時のTT指導→環境会議発表支援
エ 具体的な活動の様子
各環境展示館(教師が作成)を見学した後の課題(水,空気,土・森林,
ごみ)追及時のTT指導及び,東小環境会議に関する支援
(5) TTの方法
@ ティーム構成
ア 学級ティーム
イ 学年ティーム
ウ 複数学年ティーム
A ティームティーチングの学習類型
ア 習熟度の程度に応じたティームティーチング
イ 学習課題に応じたティームティーチング
ウ 主・副役割分担による協同方式ティームティーチング
(6) 成果
@ 問題解決学習や体験的な学習を積極的に取り入れることができるようになった。
A 児童生徒の抱く疑問や質問などへの対応や興味・関心に応じた支援がきめ細かくできるようになった
・基礎的・基本的内容の定着が図れた。
・学習内容が理解できた。
・上位児や下位児の指導において,それぞれの学習の進み方に対応でき,学力の向上が図れた。
B 一人一人の学力の実態把握が容易になり,児童生徒の学習過程や思考過程の多様化に対応した支援ができやすくなった。
C 児童生徒の発想やつぶやきを受け入れられるようになったため,児童生徒が意欲的に取り組むようになった。
D 学習だけでなく,児童・生徒理解にも効果があった。
E 役割分担を明確にしたり,教材の共同開発・研究をしたりすることにより,教師のお互いのよさを生かし,変化に富んだ
楽しい授業ができるようになった。
F 教師同士の人間関係や研修に深まりが出た。
(7) 課題
@ 教師同士の打ち合わせ時間の確保
3 事例集の作成部数及び配布先
・印刷部数2895冊 ・配布数 各小中学校3冊
4 ティームティーチングのねらい
臨教審答申等における個性尊重の必要性,それらを受けた現行学習指導要領の趣旨を踏まえ,第6次公立義務教育諸学校教員配
置改善計画において,新しい指導方法の一形態としてのティームティーチングを積極的に推進するための教員配置がなされること
となった。
ティームティーチングの推進によって,児童生徒一人一人の学習の進度や理解の程度,あるいは学習課題,順序,方法等に応じ
て複数の教員が協力してグループ指導,個別指導等を実施するなど,様々な指導上の工夫が可能となり,個に応じた多様な教育が
展開され大きな教育効果が期待できる。
5 ティームティーチングの現況
(1)配置基準
| | | 小 学 校 | 中 学 校 | | 国 | 15学級以上 | 9学級以上 | | 県 | 12〜13学級 | ― |
| |
(2)配置状況
| | | | 5年度 | 6年度 | 7年度 | 8年度 | 9年度 | 10年度 | 11年度 |
国
| 小学校 | 30人 | 59人 | 87人 | 116人 | 145人 | 150人 | 168人 | | 中学校 | 40人 | 75人 | 107人 | 140人 | 174人 | 178人 | 197人 | | 小計 | 70人 | 134人 | 194人 | 256人 | 319人 | 328人 | 365人 | | 県 | 小学校 | ― | ― | ― | 21人 | 42人 | 63人 | 73人 | | | 合計 | 70人 | 134人 | 194人 | 277人 | 361人 | 391人 | 438人 |
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(3)全国の県単ティームティーチングの措置状況(平成10年10月調査)
| | | 県 名 | 措 置 人 数 | | 1 | 東京都 | 241人(小75人,中166人) | | 2 | 本 県 | 63人(小63人) | | 3 | 兵庫県 | 56人(中56人) | | 4 | 福島県 | 39人(小19人,中20人) | | 4 | 和歌山県 | 39人 | | 6 | 静岡県 | 19人 | | 7 | 山梨県 | 15人 | | 8 | 長崎県 | 9人(小9人) | | 9 | 長野県 | 8人(中8人) | | 9 | 滋賀県 | 8人(小8人) |
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◎ティームティーチング配置教員の授業時数等について
週時数のうちティームティーチングに従事する時数は,小学校で概ね24時間,中学校で20時間程度である。
これらの授業を効果的に実施するには,計画・準備・評価等,教師間の打ち合わせが必要であるので,授業の間や
放課後等の時間を有効に活用している。
【お問い合わせ先】 教育庁義務教育課 電話 029−301−5226