生徒減少期における県立高等学校の質的充実を図るための学校の適性規模・適正配置について 本審議会は,県教育委員会から「生徒減少期における県立高等学校の質的充実を図るための学校の適正規模・適正配置について」及び「社会の変化や生徒の能力・適性等の多様化に対応する学校・学科の在り方について」の諮問を受けた。
この度,諮問事項のうち,「生徒減少期における県立高等学校の質的充実を図るための学校の適正規模・適正配置について」慎重かつ活発に審議を重ねてきたが,下記のとおり成案を得たので報告するものである。
なお,「社会の変化や生徒の能力・適性等の多様化に対応する学校・学科の在り方について」は,今後,十分な審議を行い,報告する予定である。
記
今日の高等学校は,中学校卒業者の大部分が進学する国民的教育機関として定着しており,本県の中学校卒業者の高等学校等への進学率は,平成9年度から96%に達し,高等学校教育にかける県民の期待とニーズを考えれば,この進学率は現状を維持しながら推移するものと考えられる。
一方,本県の中学校卒業者は,平成元年3月卒業者をピークとして年々減少しており,今後もこの傾向が続くことが見込まれている。
このような状況に対し,本県においては,平成元年6月の茨城県高等学校審議会の答申を踏まえ,各通学区域の実情等を勘案しながら,年次的,計画的に,県立高等学校における募集定員の策定がなされてきたところである。
しかし,今後の中学校卒業者の減少傾向を勘案すれば,県立高等学校の規模や配置を見直し,それらに対し適切な対策を講じることが望ましいと考える。
そのため,本審議会は生徒減少期における学校の適正規模・適正配置について諮問を受けたところであるが,学校は学級によって構成されていることから,今後の募集定員と学級数の見込みについても検討する必要があると考え,それを含めて,専門的に調査・研究を進めた。
1 募集定員と学級数
本県の中学校卒業者数は,平成元年3月には約49,000人,平成10年3月には約39,000人となっており,約10,000人減少している。さらに,平成17年3月の中学校卒業者数は,約32,000人と推計され,今後,7年間で約7,000人の減少が見込まれている。
県立高等学校の募集定員の策定については,中学校卒業者数の推移,県立高等学校への進路希望状況,地域の実情等を勘案し,県全体として高等学校への進学を希望する生徒をほぼ受け入れられる定員枠が設定されているところであるが,今後ともこの考え方を維持することが望ましい。その際,中学校卒業者の減少傾向を考えれば,年次的,計画的な学級数の削減による対応をする必要がある。
今後,予想される削減学級数は,平成17年3月において,募集定員は約22,300人,必要とされる学級数は約560学級と見込まれるため,平成11年度の募集学級数が680学級であることから,約120学級と考えられる。(学級数の算定に当たっては,学級編制が「公立高等学校の設置,適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」に基づき40人を標準とすることとされているため,これによることにした。)
なお,参考までに,各通学区別の募集定員と学級数の見込みについて示すと,おおむね別表のとおりである。
2 学校の適正規模
十分な教育効果を上げるための教育課程の編成・実施,特別活動の充実,生徒間における多様な個性の触れ合いの場や切磋琢磨の機会の確保など,学校の活力を維持するためには,ある程度の学校規模を維持することが必要であると考えるが,中学校卒業者の減少に伴い入学者の減少が見込まれ,学校規模の縮小が予想される。
平成元年6月の茨城県高等学校審議会は,学校規模について1学年6〜8学級を標準とすることが適当であると考えられる旨の答申をしているが,このような状況にあっては,標準の下限を引き下げ,1学年4〜8学級とすることはやむを得ないと考えられる。
その際,一律に当てはめることは困難な面もあると考えられることから,地域の実情等を勘案する必要がある。
3 学校の適正配置
中学校卒業者の減少やそれに伴って今後必要とされる募集学級数の大幅な減少,学校としての活力を保つための適正規模等を勘案すると,現在の県立高等学校の配置については,統廃合を含めた再編成を検討する必要があると考える。
その際,全県的な視野に立って検討するとともに,個々の学校の置かれている地域の実情,学校の設立事情等を考慮しながら進めていく必要がある。また,社会情勢の変化,中学生の進路希望等を勘案しながら,学校のさらなる充実を図るために,学科の配置や新しいタイプの学校の開設など県民の期待に応えられる学校づくりを十分に検討することが望まれる。
4 その他
(1) 1学級の生徒数を少なくした少人数教育は,よりきめ細かな指導が可能であることから,財政状況等を勘案しながら,教科やその内容に応じ,適宜,適切な学習集団が編成できるよう教職員配置を弾力的に行うことが望まれる。
(2) 県立高等学校と私立高等学校の生徒収容定員については,平成元年6月に茨城県高等学校審議会から,県立高等学校がおおよそ80%,私立高等学校がおおよそ20%を分担し,安定的に推移しており,今後においてもこの現状を維持することが適当であると考えられる旨の答申をしたところであるが,この比率は変化してきている。今後の公私立間における生徒収容定員の分担については,中学校卒業者の減少が引き続き見込まれることから,関係機関において,改めて検討されることが望まれる。
【別表】
県立高等学校全日制課程通学区別募集定員と学級数の見込み |
| 卒業年月日 | 項 目 | 第1通学区 | 第2通学区 | 第3通学区 | 第4通学区 | 第5通学区 | 全 体 |
| 平成11年 3月卒業 |
中学校卒業者数 | 4,550 | 8,980 | 3,777 | 9,902 | 11,753 | 38,962 |
| 募集定員 | 3,625 | 5,950 | 2,880 | 6,140 | 8,560 | 27,155 | |
| 学級数 A | 91 | 149 | 72 | 154 | 214 | 680 | |
| 平成17年 3月卒業 |
中学校卒業者数 | 3,779 | 7,430 | 3,014 | 8,140 | 9,588 | 31,951 |
| 募集定員 | 3,011 | 4,923 | 2,298 | 5,047 | 6,983 | 22,262 | |
| 学級数 B | 75 | 123 | 57 | 126 | 175 | 556 | |
| B−A | ▲ 16 | ▲ 26 | ▲ 15 | ▲ 28 | ▲ 39 | ▲ 124 | |
備考 中学校卒業者数は,県内における国・公・私立中学校の卒業者数であり,推計値である。
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