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 本委員会は,平成11年9月に設置され,同年10月4日に第1回会議を開催し,茨城県教育委員会教育長から,「選抜方法の多様化に応じた現行制度の見直しについて」,「多様な選抜方法に応じた評価尺度の見直しについて」の2つの事項について検討を依頼され,合わせて7回の会議を開催した。
 会議の開催日及び開催場所は次のとおりである。

 第1回会議は,平成11年10月 4日に,県庁会議室で開催
 第2回会議は,平成11年10月28日に,県庁会議室で開催
 第3回会議は,平成11年11月18日に,県庁会議室で開催
 第4回会議は,平成11年12月15日に,県庁会議室で開催
 第5回会議は,平成12年 1月13日に,県庁会議室で開催
 第6回会議は,平成12年 1月28日に,サンレイク水戸会議室で開催
 第7回会議は,平成12年 2月21日に,県開発公社ビル会議室で開催

各回の審議内容を要約すると以下の通りである。

第1回会議
 検討依頼事項について,事務局から提案理由の細部について説明を受けた後,協議に移り,第2回会議以降の審議事項の整理を意図したフリートーキング形式の意見交換を行った。そのときの主な内容は,次の事項に関わるものであった。
○ 現行制度の基本理念について
○ 現行制度実施による実際的な影響について
○ 審議を進める際の基本姿勢について
 また,第3回会議において参考人を呼び,意見を聞くことも確認した。



第2回会議
 現行制度に関連する経緯の確認と問題点・検討事項の整理を行い,次の意見がでた。
(a) 全体としては理念的な方向は継承していいのではないか。
(b) 偏差値偏重の改善に寄与していると考えていいのではないか。
(c) 高校の特色づくりへの対応は評価できると考えていいのではないか。
(d) 3年間の評価が中学校生活を規制するおそれがあるのではないか。
(e) 詳細な調査書の点数化と総合得点による序列化では,受験生の個性が表れないのではないか。
(f) 調査書の学校間格差に対応する必要があるのではないか。
(g) 調査書の作成に労力がかかりすぎるのではないか。
 この中で,(a)〜(c)については支持する意見が多く,(d)〜(g)はさらに継続して議論することになった。
 また,諸方面の意見や事情を十分反映するため,第4回会議で諸団体からの意見聴取をすることを確認した。



第3回会議
 参考人からの意見聴取を行い, 次の5人から,それぞれの立場で,県立高校入試に関する意見を聴取した。
 県内の中学校でスクールカウンセラーをしている大学教授:全体的に過剰な受験への意識はないが,高校入試が中学生の勉強の姿勢にかなり影響を与えていることの説明があった。
 県内民間企業の取りまとめ役的な関係者:若い人たちの,自主性や基礎学力に不安があること,中学生の大半が高校へ進学する現状を考慮すべきであるとの指摘があった。
 不登校の子どもを受け入れている施設の関係者:不登校の子どもたちが高校入試で十分に配慮されているとは思えないので,何らかの配慮をして欲しいとの要望があった。
 現行入試を経験した大学生2名:高校卒業後の進路と自分の学力とによって高校を選択したこと,推薦入試や一般入試についての,不満点や問題点が幾つかあげられた。
 参考人からの意見聴取終了後,学力検査の検討をフリートーキング形式で行い,次の意見が出た。

ア 知識のみでなく,考える力や表現する力などを重視する「新しい学力観」 に基づく出題を今後も継承すべきであろう。

イ この点,現在の問題は十分工夫されていると評価する意見とともに,まだ不十分ではないかとの意見があった。

ウ すべての高校で共通の学力検査を課している現行のやり方は,現状に合わない。

エ 学校裁量の部分を多くして,各高校の特色づくりをしやすくする。

オ 高校入試問題は,中学校卒業の標準的な学力の基準を示すという要素が (役割の一つとして)あるのではないか。したがって,ある程度共通性をも つことも必要なのではないか。



第4回会議
 委員会の委員を通して,次の団体の関係者から,事前にアンケート形式で依頼した調査項目について,意見を集約した。
 ・ 茨城県PTA連絡協議会
 ・ 茨城県高等学校PTA連合会
 ・ 学校長会(中学校)
 ・ 高等学校長協会
 ・ 茨城県教職員組合
 ・ 茨城県高等学校教職員組合
 この中で,現行制度の基本理念を支持する意見は多かったが,実際に実行されている内容については,評価する意見とともに,調査書,学力検査問題等に関する批判的な意見もあった。また,高校の特色づくりへの希望などもあった。
 その後,これまでの審議で一応主要な意見は出つくしたと考え,今回どのようなことをどのような方向で見直していくかについて,フリートーキング形式で議論した。
 この中で委員長より,現行制度の基本理念は継承していいのではないかとの意見とともに,次のような「見直しの基本方向」に関する提案があった。
 ・ 各高校の裁量幅を増大させる。
 ・ 考える力や表現する力等を一層重視する。
 ・ 第2次募集の積極的な活用を考える。
 ・ 不登校生徒等に不利にならないようにする。
 ・ 入試の継続的点検評価システムをつくる。



第5回会議
 見直しの内容を,次の通りいくつかの項目に分類した。
 @ 不登校生徒等への配慮
 A 第2次募集の積極的な活用
 B 調査書様式の簡素化及び調査書の使い方
 C 一般入学における合否判定方法等の見直し
 D 合否判定等における高校の裁量幅の見直し
 E 学力検査の問題内容等の見直し,選択問題の取り扱い
 F 入試に関する点検評価を統一的に行うシステムづくり
 G その他(推薦入学等)
上記の内容は,現行の枠組そのものを大幅に変えようという趣旨のものではなく,基本理念や大枠については現行のものを継承しようというものであることを確認し,各項目を1つずつ取り上げて具体的に検討した。
 @からBについては概ね確認がなされ,C〜Gについては継続して審議することになった。



第6回会議
 本委員会の報告書を意識しながら,第5回会議の検討結果を踏まえ,より詳しい検討をした。
 基本方針については,「推薦入学,一般入学,第2次募集」という現行の形態を大幅に変えることはしない。さらに,現行制度の理念は継承することを確認し,次のような方向で具体案をつくることにした。
 (a) 諸事項における高校の裁量幅を拡大させる。
 (b) 考える力や表現する力を一層重視する。
 (c) より多元的な方向へ制度や合否判定方法を見直す。
 (d) 不登校生徒等が不利にならないように配慮する。
 (e) 簡素化の方向で調査書様式を見直す。
 (f) 入試の継続的な点検評価システムを整備拡充する。

 この方向に沿った具体案についても,たたき台をもとに検討した。



第7回会議
 第6回会議の検討結果を踏まえ,見直しの骨子を確認した後,報告書の検討を行った。骨子の確認では,基本方針についてのものと見直しの具体案についてのものを行っている。後者は本報告書第V章での内容と重なっているので,前者のみについて述べると以下のとおりである。

1 基本方針について
(1)現行制度の基本理念は継承する。
(参考)現行制度の基本理念
 @ 学習指導要領の目指す学力観を尊重する。 
 A 生徒の多様な能力を多面的にみる。
 B 各高校の特色づくりに対応する。
 C 偏差値重視の進路指導を是正する。

(2)「推薦入学,一般入学,第2次募集」という現行制度の形態を大幅に変えることはしない。

(3)上記(1)(2)を前提として,次のような方向で見直す。
 (a) 諸事項における高校の裁量幅を拡大させる。
 (b) 考える力や表現する力を一層重視する。
 (c) より多元的な方向へ制度や合否判定方法を見直す。
 (d) 不登校生徒等が不利にならないように配慮する。
 (e) 簡素化の方向で調査書様式を見直す。
 (f) 入試の継続的な点検評価システムを整備拡充する。