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  21世紀を目前にした節目のとき,世界は単に暦の上の区切りというだけでなく,歴史的な転換期にある。我が国においては,既に,国際化,情報化,少子・高齢化,地球環境等々,かつてない諸問題への取り組みが始まっている。さらに,価値観の多様化が進むとともに,個性を積極的に評価・尊重する時代になりつつある。
 このような状況の中で,高等学校では,生徒一人一人の個性を尊重し,生徒の能力・適性,興味・関心等をさまざまな面から評価していく努力が一層求められている。そのような努力の一環として,高等学校の入学者選抜(以下,高校入試という。)をより一層多元的なものにし,しかも各高等学校の特色づくりに一層寄与するものにしていくことが要求されている。
  本県における高校入試については,中学校及び高等学校教育の望ましい発展を図るため,継続的に調査研究を行い,必要に応じて改善を図ってきた。現行制度による高校入試は,平成5年2月の茨城県立高等学校入学制度検討委員会の報告を受けて,以前にない新しい内容を導入する形で,平成6年春から6回実施してきた。
  その間,文部省は,平成9年6月の中央教育審議会の答申を受けて,選抜方法の多様化及び評価尺度の多元化の観点に立った高校入試の改善を一層進めていく必要がある旨の通知を出し,さらに,平成10年11月には,学校教育法施行規則を改正し,学力検査・調査書を用いない方法をも視野に入れるようにすることを付け加えた。
  このような状況の変化を踏まえ,より一層,多様な生徒の実態に対応し,生徒一人一人の個性を伸長するとともに,特色ある学校づくりを進めるため,本県は現行入試制度の見直しが必要との認識を持ち,茨城県立高等学校入学者選抜制度検討委員会(以下,本委員会という。)を設置した。
  本委員会は,茨城県教育委員会教育長から「選抜方法の多様化に応じた現行制度の見直しについて 」,「多様な選抜方法に応じた評価尺度の見直しについて」という2つの事項について検討依頼を受けた。会議は7回開催し,基本理念に関わることから具体的施策に関わることまで幅広い議論を慎重に重ね,この度,本委員会として最終的な結論を得たので報告する。 
 報告内容は,現行制度の基本理念や「推薦入学,一般入学,第2次募集」という形態を継承するものであり,それを前提として,学力検査,調査書,合否判定方法等に関する見直しの具体化策を第V章で提案している。