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道徳教育のページ【小学校の資料】

郷土に学ぶ 那珂町の偉人

-那珂町の偉人「根本 正(しょう)」-

1 資料 「那珂町の偉人 根本正の生涯を見つめて」<小学校高学年>

水郡線

水戸から福島県郡山までを結ぶ「水郡線」。

みなさんのなかには、鴻巣駅から水戸駅まで乗ったことがある人がいるでしょう。高校生になると利用する人も多くなりますね。さて、この水郡線を作ろうと計画した人はだれでしょう。

 

根本正

それは、那珂町出身の衆議院議員「根本正(しょう)」でした。

根本正は、嘉永4年(1851年)、現在の那珂町東木倉で生まれました。水戸学の学者豊田天功の家で下男として働きながら、勉学にはげんでいました。

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パリ万国博覧会から持ち帰った「マッチ」と「時計」

明治元年(1868年)、正は、パリ万国博覧会から持ち帰った「マッチ」と「時計」を生まれて初めて見ました。マッチをすると、木のはしに火がついたので、びっくりしました。時計はピクピク動いているので、たいしたものだとおどろきました。

20歳の正は、「これは、どうもよほどりこうな人が作ったにちがいない。そして、そのりこうな人とは、横文字を読む国の人たちだ。」と考えました。

 

英語の勉強をするために東京に出た正は、夜は人力車を引く仕事をしながら、勉強をしました。人力車を引く仕事は当時は、社会の一番低いところで働く仕事でした。身分や地位の高い人は低い人にいばりちらし、お金のある人はない人をばかにするという様子を毎日見ていました。正は、「すべての人は平等でなければならない。」という信念を強くもちました。そして、自分は、社会全体がそのような方向に進むように努力しようと決心したのです。

 

正はアメリカのオ-クランド市に渡り、地元にある家に世話になり、掃除や馬の世話などをしました。しかし、日本で習った英語は全然通じませんでした。英語を最初から勉強し直そうと、28歳で小学校の1年生になり、勉強しました。学校に入って勉強するのは、これがはじめてでした。朝早く起きて、家の手伝いを時間ぎりぎりまでしてから、かけ足で学校に行ったそうです。その後、バーモント州立大学を優秀な成績で卒業しました。

 

日本に帰った正は、衆議院議員になり、貧しい人々の立場に立ち、生活がよくなるように数々の働きをしました。

まず、そのころの日本では、小学生のおよそ3分の1は、授業料(1年間に現在のお金で約30万円くらい)がはらえずに学校に行けませんでした。そこで授業料をなくして、だれもが小学校に通えるようにしました。そのおかげで、日本人は貧しい人でも新聞が読めるようになり、日本に来た外国人はそのことにびっくりしたそうです。このことは、日本の発展
に大いに役立ち、富める者と貧しい者との差を小さくしました。

 

那珂町の偉人 根本正の生涯を見つめて

また、アメリカにいたとき、正は、20歳にならない人たちが、大勢酒やたばこでだめになっていくのを見ていました。「日本の若い人や子どもを救わなければならない。」と考え、法律を作るためにがんばりました。「未成年者喫煙禁止法」は、間もなく制定されましたが、「未成年者飲酒禁止法」はなかなか認められませんでした。

国会で、正が演説を始めるとやじられ、ばかにされ、一人として味方になってくれる人はいませんでした。しかし、正は反対者一人一人に説得を重ね、とうとう法律にすることができました。この法律ができるまでに、なんと21年もかかりました。

 

茨城のためにも、数々の努力をしました。水郡線の開通、那珂湊漁港の建設などです。水郡線が、水戸駅から福島県郡山駅まで開通したことに、地元の人々は大変喜びました。それまでは、荷物を運ぶときには、馬車で何日もかけなければならなかったからです。

常陸大子駅前には、根本正の胸像が建てられ、現在でもその業績は大きな評価を受けています。

 

常陸大子駅前の根本正の胸像

常陸大子駅前の根本正の胸像

2 学習指導案

(1)主題名

郷土に誇りを (4-(7) 郷土愛)

(2)ねらい

内容項目4-(7)は、「郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。」を主な内容としている。

私たちの生まれ育った郷土は、先人の努力のもとにできあがり、発展してきたものである。郷土の歴史・文化・伝統的行事を知り、学ぶ中から、先人の努力に感謝し、郷土を愛する心情を育てることは、その地域に住むものの使命でもある。郷土を愛し、誇りをもつことは、日本人としての誇りとなり、これからの国際社会に生きる人間を育てることにもつながる。そこで、郷土の先人について学び、自分の生き方に生かそうとする心情を育てたいと考え、本主題を設定した。

本時では、人々のために尽くした根本正の生き方に感動し、郷土を愛する心情を養うことをねらいとする。

(3)指導のポイント

ア この資料のよさは

  • 「根本正」という人物の偉大さ
    今では考えられないような苦労の末に、衆議院議員になり、数々の業績を残したことは、小学生にも深い感動を与える。
  • 地域に密着した資料
    根本正は、(茨城県)那珂町の出身で、小学校の授業料廃止など全国的にも重要な業績を残した人物である。
  • ゲストティーチャーの活用
    「根本正顕彰会」が発足し、現在100人以上の会員が活動しており、ゲストティーチャーの派遣依頼などに対応してくれる。

イ 配慮することは

  • 根本正の生き方を学んでいくと、不撓不屈や創意進取などの道徳的価値についても学ぶことができる。本主題を意識し、発問は郷土愛に適したものを工夫し、話し合いのとき主題からずれないように軌道修正していく。

(4)「心に響く」ための工夫

ア 総合単元的な取り組み

 

各教科等で扱う内容  道徳的価値と総合単元としての係わり

 

第1次
-気付く-

「明治の新しい世の中」 ◎ 明治維新を推進した人々の努力
・教科書の無償制度 →  ・ 根本正の活躍
・ 田中正造の業績→   ・ 根本正と同時代に活躍した偉人
矢印 【郷土を見つめる視点:歴史的な人物を中心に】
第2次
-深める-

「郷土に誇りを」 ◎ 根本正の生き方について考える。
◎ 根本正を生んだ郷土、那珂町をみつめる。
矢印 【郷土を見つめる視点:伝統芸能を中心に】
第3次
-広げる-



「門部ひょっとこ踊り
に親しむ会」
※ 共通体験
◎ 現在の生活に生きている伝統芸能のよさをみつめる。
・踊りを楽しむ。
・伝統芸能と生活とのかかわり
※ 身近なものとしてとらえる。
矢印 (個別化による実践学習)
【郷土を見つめる視点:一人一人の児童の郷土へのかかわり】
総 合 的 な 学 習 の 時 間
テーマ「郷土に学ぼう」
郷土に関する一人一人の調べ学習 
◎ 郷土歴史の学習、道徳の授業、共通体験としての「門部ひょっとこ踊り」などを通して深めた郷土に対する思いを、個別の課題解決を通して自己表現する。 

 

イ コンピュータによる映像を用いた資料提示の工夫

音声と映像によって、児童は資料の世界に容易に入り込むことができる。児童全員が内容をよく理解して、自分の考えをもつことできる。

ウ ゲストティーチャーの活用

授業の終末の話だけではなく、授業の導入での自己紹介、グループでの話し合いの支援など、授業全体に関わってもらう。

(5)展開例

学習活動と主な発問 教師の働きかけ

1 コンピュータ用プレゼンテーションソフトを用いて、資料「那珂町の偉人根本正の生涯を見つめて」を視聴し、話し合う。

 

 

 

 

 

○ 正はどんなことを考えながら、21年もかけて、未成年者飲酒禁止法(や未成年者喫煙禁止法)を制定したのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎ 正が那珂町出身の人物であることを知り、那珂町についてどう思いますか。

2「根本正顕彰会」会長の柏村一郎さんの話を聞く。

  • ゲストティーチャー「根本正顕彰会」会長 柏村一郎さんを児童に紹介し、資料への導入とする。
  • 参考資料(社会科副読本「なか」を事前に一読させておく。
  • 映像を用いながら、臨場感豊かに根本正の生涯について紹介する。(根本正の演説の場面の映像を見せる。)
  • ゲストティーチャーもグループを回りながら話し合いの様子を見て、根本正の人柄を理解させる支援をする。
  • 21年間という6年生の年齢をはるかに越える長い年月もの間、法律制定のために努力し続けた正の日本の国への深い愛情に気付かせたい。
  • 子どもが酒を飲むことについて自分なりの考えをもたせ、自分の身近な問題として話し合うことができるようにする。
  • 人々のために尽くした根本正の生き方に十分に触れることができたか、ワークシートや発表から評価する。
  • 実態調査では、意識の薄かった児童が、学習を通しながら変容していく姿を教師は見取るようにしていきたい。
  • 自分たちの町「那珂町」に対する思いを語り、郷土那珂町に対する思いを深いものにさせたい。
  • 柏村さんに根本正を誇りに思う気持ちを語ってもらうことにより、郷土を愛した正の考えに近づき、より身近に感じ、郷土を誇りにもって生きようとする心情を高めるようにする。
  • 根本正の生き方にふれて感動し、郷土を大切に思う気持ちが高まったかをワークシートや発表から評価する。

3 授業のようす

T
正はどんなことを考えながら、21年もかけて、未成年者飲酒禁止法や喫煙禁止法を制定したのでしょう。国会で意見を言うたびに他の議員からばかにされても、毎回毎回言い続けた正はどんな気持ちだったのでしょう。ワークシートにその気持ちを書いてみましょう。
T
それでは、正はどんなことを考えていたのか自分の考えを発表してもらいましょう。
S1
中毒の人ばかりになってしまったら大変だ。
T
アルコール中毒ですね。さっきもちょっと話したようにアルコール中毒になってしまうと人間として生きられないようになってしまうから大変ですね。
S2
早く認めてもらいたい。
グループの話し合いに参加するゲストティーチャー
T
早く認めてと言うのは、法律、『未成年者飲酒禁止法』のことですね。
S3
21年もかかったが日本の若者を救えてよかった。

(略)

T
『未成年者飲酒禁止法』を制定したり、水郡線の開通させたりした根本正は那珂町出身の人でしたね。このことを知ってどう思いましたか。
S4
すごいと思った。
T
すごい、何がすごいのかな。
S4
根本正という人はすごい人だ。
T
なるほどね。では、そういうすごい人がいた那珂町をどう思いますか。
S5
那珂町にも立派な人がいて嬉しい。
T
はい。みんなは、最初は那珂町出身の偉人は一人も知らなかったんですよね。
S6
那珂町を見直した。
S7
那珂町は、他の町みたいに遊園地とかないし、あまり有名じゃないなぁと思っていたけど結構いいところもある。
T
結構いいところ、そうだね、那珂町のいいところってどんなところだろうね。」
S8
緑が多いところ。
S9
自然がたくさんあって、公害などがない町。
T
那珂町は、自然環境に恵まれた町ですね。その他にはどうでしょう。
根本正について意欲的に発表する児童
S10
お祭りがいっぱいある。
S11
お寺や神社があり、歴史のある町。
T
なるほどね。那珂町は古い歴史のある町とも言えますね。

4 児童変容のようす

(1)授業中の変容

ア コンピュータによる映像の効果

カラーの拡大された映像は映画館のような雰囲気をもち、児童は真剣に資料に聞き入り、発問にも具体的な場面をイメージして話し合うことができた。

イ 力ある資料、それは「根本正」と言う人物の偉大さ

普段の授業ではあまり書けない児童も、ワークシートに熱心に書いている姿が印象的でだった。

 

(2)授業後の変容

ア ゲストティーチャーとのかかわり

柏村さんへのお礼の手紙の希望者を募った。普段文書を書くことが苦手な児童が、翌日までに心を込めた作文を書いてきた。児童全員のワークシートのコピーとともに2名のお礼の作文を送ったところ、丁寧な礼状が届き、児童は柏村さんに対して更に尊敬の念を深くした。

イ 社会科の学習との関連

「明治の新しい世の中」で学習したことが、今回の道徳の授業で学んだ小学校の授業料廃止などと関連しており、正の活躍した時代背景の理解に役立った。

ウ 総合的な学習の時間との関連

本時の道徳の授業後、児童には茨城県や那珂町など郷土に対する興味が芽生えた。「郷土に学ぼう」をテーマとする総合的な学習の時間のオリエンテェーションの中でも、児童から「根本正」に関する課題が数多く出た。郷土愛の心情がベースとなって、現在総合的な学習の時間にも意欲的に取り組んでいる。

 

「根本正顕彰会」への連絡方法事務局

那珂町役場社会教育課 根本正顕彰会
会長 柏村 一郎
〒311-0192 茨城県那珂郡那珂町福田1819-5
TEL 029-298-1111(内線 530)
FAX 295-7504

 

資料を提供した学校 那珂町立木崎小学校
住所 〒311-0136 
茨城県那珂郡那珂町門部2765
TEL 029-298-5421
FAX 029-295-7536
URL http://academic1.plala.or.jp/kizaki/index.htm
E-mail kizaki-s@city.naka.ibaraki.jp

 

 

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