いじめをなくす教師の役割
信頼感と安心感に根ざした学級づくりを!
- 学級の一人一人は“みんなちがってみんないい”のです
- 学級は、一人一人のよさを引き出し、生かし、伸ばす場であり、努力し合い、みがき合うところです
- 学級は、一人一人が学級の一員であることに喜びを感じ、安心して学び合い、将来への夢とたくましく生きる力をはぐくむところです
“いじめをなくす学級経営8つの視点”―あなたの学級ではどんな工夫をしていますか―
1 学級目標は学級全員の思いや願いが十分込められたものになっていますか。
学級経営は、保護者の願いと子ども一人一人の思いや願いを生かしながら、担任と子どもたちが互いに力を合わせて魅力ある学級づくりをすることです。目標達成を目指す厳しさと仲間意識を支える優しさがあって所属感や連帯感が生まれるのです。2 子どもたちの創意工夫を生かした活動が活発に行われ、達成の喜びや、責任を果たした喜びをたたえ合う学級になっていますか。
みんなの知恵を出し合い、協力し合って成し遂げる創造的な係活動は、自己存在感や自己実現の喜びが味わえる学級づくりに大きな効果をもたらします。3 お互いのよさを認め合い、失敗が許される学級の雰囲気がつくられていますか。
自分とは異なる考えやお互いのよさを認め合うところに信頼が生まれ、好ましい人間関係が築かれます。また、まじめに努力することが最も賞賛され、まちがいや失敗を許し合 う学級でこそ、安心感とみがき合いを生むのです。4 子どもたちの話し合う場を積極的に設けて一人一人の意見を尊重し、自己選択 や自己決定の機会を保障していますか。
自己選択や自己決定には自己責任が伴います。一人一人の自立を促すためにも自分たちの問題を自分たちで話し合い、一人一人の意志を大切にしたいものです。
5 意欲をもって張り込める授業、分かる授業の工夫をしていますか。
どの子もできるようになりたいのです。教える授業から学ぶ授業への転換を図り、一人一人に学ぶ楽しさや成就感が味わえるようにしたいものです。6 しつけの厳しさや努力の大切さが理解され、だめなことはだめと言える学級となっていますか。
成長とは、自己中心的な心や言動からの脱皮です。保護者や子どもたちに我慢する心や正義感など、豊かな人間性の大切さが理解される必要があります。7 一人一人の子どもたちとの触れ合いや悩み相談の時間を十分にとっていますか。
8 学級の問題の解決のために、心を開いて、他の先生や管理職と気軽に相談したり保護者に協力を得たりしていますか。
事態が進行する前に、心を開いて相談すれば、いじめられる子には教師が最強の味方になれ、いじめる子にはいじめに走る背景を察した指導に自信をもってあたれるようになります。―具体的な取り組み―
出番をつくる・認める・ほめる学級経営(K小学校)
だれもが一日一回、みんなの前で活躍できる出番をつくります。一人一人が一生懸命努力する学級、一人一人の努力やよさを心から認め合う学級づくりこそが、いじめをなくす学級であり、一人一人の夢をふくらませ、個性をみがき、伸ばし合う学級です。それぞれの学級のよさを発表し合う学年集会を、学期に1回開いています。一日一回声かけ運動 (Y小学校)
私たちの学校では、全学級が朝の出席確認をフルネームで行います。そして、まず、先生が一声「今日も元気だね」、「ごはん食べてきましたか」などと声をかけます。時間はかかりますが、子どもたちは今日は先生がどんな声をかけるかと興味津々です。そんなことをしていると、子どもたちもユーモア混じりの返事を返してくれます。朝の会以外でも、“一日一回声かけ運動”を行っています。いじめの早期発見、早期解決にとても役立っています。
ふれあい相談の実施(S中学校)
毎日一人づつ、10分間程度の相談を行っています。相談内容は、勉強方法や友人関係、進路等様々です。これだけでも、年間一人当たり6回程度の面接ができます。また、相談室でグループによる相談を行っています。このグループは、仲良しグループや生活班のグループなど様々です。複数での相談なので、言いたいことが言えるメリットがあります。
グループノートの活用(J中学校)
自分の思いや願いをノートに書き留め、そのノートをグループ内で毎日巡回させる「グループノートの活用」を行っています。それぞれの考えやアドバイスがもらえて、悩みなどの解消に役立っています。グループエンカウンターの実施(Y小学校、E中学校、O高校)
本音でやりとりすることを通して、本当の自分を見つめたり他者に出会う場をつくるため、グループエンカウンターを取り入れています。人間関係づくりにもとても役立っています。出会いを求めるB教諭の実践(H高校)
B教諭は新しいクラスを持つに当たり、生徒たちと同じ目の高さで感じたり考えたりすることで、息詰まった生徒との関係を改善しようと考えた。まず最初に、できるだけ生徒たちと時間を共にするよう心がけた。開放感のある放課後は特に大切にした。日頃目立たない子や普段の生活と様子の違った子にはさりげなく声をかけた。はじめは当然のように警戒し、中には敵意をあらわにする子もいた。しかし、日が経つにつれ徐々に周囲に生徒たちが集まるようになってきた。最初は目立たない子たちが、そして徐々に元気な子たちへと輪は広がっていった。一見元気に振る舞っている子が、実は深刻な問題を抱えていたり、部活動で活躍している子がいつ退部しようかと悩んでいたり、いろいろなことが見えてきた。