茨城県の学校給食

 

1 学校給食について

(1)今日的課題
     児童生徒を取り巻く社会環境等の変化に伴い,偏った栄養摂取,肥満傾向児の増加及び生活習慣病の若年化等,食を起因とする健康課題が指摘される中,生涯を通じての健康な食生活に関する理解を深め,幅広く健康について考えていく姿勢を培っていくことは学校給食の重要な課題と考えられます。
(2)本県の児童生徒の食生活の状況等
 栄養素等摂取状況は,1日の栄養所要量に対する摂取率をみると,小学生では鉄,中学生ではエネルギー,カルシウム及び鉄の摂取率が下回っています。また,食塩の摂取量は,小学生で10.6g,中学生で11.2gで摂取目標の110gを上回っています。
 朝食の欠食状況は,小学生では1.5%,中学生では5.1%,年次推移でみると中学生女子を除いて増加傾向にあります。
ウ   朝食の孤食(一人だけで食事をする)状況は,小学生では14.6%,中学生では36.2%,中学生では昭和62年度の調査時と比較して10%増加しています。
(アからウについては,平成10年度子どもの食生活状況調査結果による)
  (3)学校給食の目
 学校給食法第2条では次のように示されています。
 学校給食については,義務教育諸学校における教育の目的を実現させるために,次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
日常生活における食事について,正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
学校生活を豊かにし,明るい社交性を養うこと。
食生活の合理化,栄養の改善及び健康の増進を図ること。
食糧の生産,配分及び消費について,正しい理解に導くこと。
(4)学校給食指導のねらい(学校給食指導の手引(平成4年7月文部省))
 学校給食は成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のために,バランスのとれた栄養豊かな食事を提供することにより,健康の増進,体位の向上を図ることはもちろんのこと,正しい食事の在り方や望ましい食習慣を身に付け,好ましい人間関係を育てるなど多様で豊かな教育的なねらいをもっています。
 

2 茨城県の学校給食実施状況

(1)公立小学校及び公立中学校は全校において完全給食(※1)が実施されています。
1完全給食とは,給食内容がパン又は米飯等,ミルク及びおかずのある給食
(2)学校給食の調理方式別による実施状況は,共同調理場方式が約7割,単独校調理場方式が約3割です。
 全国の学校給食実施状況については
学校給食実施状況調査を参照してください。

     

   校  種

 

  学校数、人数

完全給食

実施

内  訳

補食給食※2  実施

共同調理場方式による実施

単独校調理場方式による実施

全面委託による実施

公立小学校

校数

588

588

100.0%

410

69.7%

176

30.0%

2

0.3%

0

0.0%

児童数

181,203

181,203

100.0%

127,566

70.4%

52,917

29.2%

720

0.4%

0

0.0%

公立中学校

校数

234

234

100.0%

176

75.2%

54

23.1%

4

1.7%

0

0.0%

生徒数

98,514

98,514

100.0%

77,992

79.2%

18,061

18.3%

2,461

2.5%

0

0.0%

特殊教育諸学校

校数

20

20

100.0%

1

5.0%

19

95.0%

0

0.0%

0

0.0%

児童生徒数

2509

2509

100.0%

85

3.4%

2424

96.6%

0

0.0%

0

0.0%

定時制(夜間)

校数

11

10

90.9%

0

0.0%

10

90.9%

0

0.0%

1

9.1%

    高等学校

生徒数

1,073

1,011

94.2%

0

0.0%

1,011

100.0%

0

0.0%

62

5.8%

合    計

校数

853

852

99.9%

587

68.8%

259

30.4%

6

0.7%

1

0.1%

児童生徒数

283,299

283,237

100.0%

205,643

72.6%

74,413

26.3%

3,181

1.1%

62

0.02%

※2 補食給食とは,完全給食以外の給食で給食内容がミルク及びおかず等の給食
(3)学校給食実施回数
茨城県内の公立小学校及び公立中学校の平成13年度学校給食平均実施回数は194日です。
(4)保護者負担学校給食費
  平成13年度保護者負担学校給食費平均月額は,公立小学校で3,870円,公立中学校で4,277円です。
(5)学校給食の時間
公立小学校で50分程度とした学校は103校(17.5%)
公立中学校で45分程度とした学校は108校(46.2%)

   

学校給食の時間

40分以下

45分程度

50分以上

公立小学校

26

4.4%

459

78.1%

103

17.5%

公立中学校

122

52.1%

108

46.2%

4

1.7%

特殊教育諸学校

3

15.8%

8

42.1%

8

42.1%

定時制(夜間)高等学校

9

81.8%

2

18.2%

0

0.0%

 




給食の時間は,小学校では50分程度,中学校では45分程度とされています。(学校給食指導の手引 平成4年7月文部省)
 

3 食に関する指導について

(1)食に関する指導の目標
 食に関する指導参考資料(平成12年3月文部省)では,食に関する指導の目標を次のように示しています。
 生涯にわたって健康で生き生きとした生活を送ることを目指し,児童生徒一人一人が正しい食事の在り方や望ましい食習慣を身に付け,食事を通じて自らの健康管理ができるようにすること。
 また,楽しい食事や給食活動を通じて,豊かな心を育成し,社会性を涵養すること。
 具体的な指導内容としては…
栄養の偏りのない食事を楽しくとることが,日々の健康や心の安定につながること。
子どもの頃の偏った食習慣は,将来の生活習慣病につながること。
正しい食生活は,健康な体と心をつくること。
将来の食習慣を形成する上で,小・中学校の時期が極めて重要であること。
食事や当番活動を通して,豊かな心や望ましい人間関係を育成すること。
どのように食環境が変化しても,食の自己管理が実践できる能力を育てること。
地域で培われた食文化を体験し,郷土への関心を深めること。
(2)食に関する指導の基本的な考え方
 食に関する指導の目標を実現させるためには,児童生徒自らが目標に示された事柄の重要性を理解し,食生活について自らが考え改善しようという意思決定をし,実践することが出来るように指導する必要があります。
(3)学校における食に関する指導実施について
  学校給食の時間を中心として,学校教育全体を通した食に関する指導を実施します。
給食の時間の中で(週2回程度,計画的に学校給食を生きた教材として活用した体験を通しての繰り返し指導)
各教科の中で (生活科,体育科保健領域 家庭科 理科等)
特別活動の学級活動の中で (年間3〜5時間の確保)
道徳の中で (給食時間の指導のねらいと関連をもたせて)
学校行事の中で(心を育む学校給食週間等の実施,異学年やお花見給食等の交流給食や地域のお年寄りを招待する招待給食)
総合的な学習の時間の中で
学校保健委員会等の中で (学校・家庭・地域の関係機関相互で食の実態を共有化し,指導について検討する)
(4)食に関する指導実施状況
給食時間における指導について
 栄養などに関する指導を計画的に実施している学校は
公立小学校で179校(30.4%) 公立中学校で44校(18.8%) 
※給食指導に際しては,担任と学校栄養職員や養護教諭等とが連携,指導している。
協力授業の実施状況等について
 食に関する指導を教科等の中で行う場合は,学校栄養職員や養護教諭等との協力授業の実施や教材教具を工夫するなど様々な工夫がされている。                 
 
                         (平成12年度実績学校数)

 

協 力 授 業

教材教具の工夫

ビデオ・放送等の活用

指導場所の工夫

実施校

協力授業の協力者

学校栄養職員

養護教諭

給食主任

その他

小学校

349

217

197

47

74

327

254

88

中学校

93

71

25

22

15

96

129

22

特殊教育諸学校

10

9

2

2

1

6

4

2

定時制(夜間)高校

4

3

1

0

0

1

1

0

教科における実施状況について
 食に関する指導は,様々な教科指導を通して実施されている。              
                          (平成12年度実績学校数)

 

生活科

社会科

理科

保健体育科等

家庭科

特別活動

道徳

小学校

151

37

28

160

395

409

39

中学校

 

5

11

52

172

111

7

特殊教育諸学校

7

0

1

1

4

9

0

定時制(夜間)高校

 

0

0

3

0

1

0

総合的な学習の時間における実施状況について
 公立小学校で276校(46.9%),公立中学校で85校(36.3%)(平成12年度実績学校数)
特色ある学校給食活動について

 

 

学校内における活動

家庭・地域との連携を図る活動

 

  

交流給食

行事食

招待給食

バイキング

親子給食

招待給食

試食会

校種

 

同一学年

異学年

全 校

公立小学校

校数

130

307

95

337

427

168

324

112

246

実施割合

22.1%

52.2%

16.2%

57.3%

72.6%

28.6%

55.1%

19.0%

41.8%

公立中学校

校数

34

8

11

107

156

72

11

5

66

実施割合

14.5%

3.4%

4.7%

45.7%

66.7%

30.8%

4.7%

2.1%

28.2%

特殊教育

諸学校

校数

7

6

2

15

6

3

7

2

3

実施割合

36.8%

31.6%

10.5%

78.9%

31.6%

15.8%

36.8%

10.5%

15.8%

定時制

(夜間)高校

校数

1

0

8

9

2

6

1

0

1

実施割合

10.0%

0.0%

80.0%

90.0%

20.0%

60.0%

10.0%

0.0%

10.0%

特色ある学校給食活動事例紹介
招待給食事例…給食委員会企画によるALT(外国語指導助手)招待給食の様子
(水戸市立笠原中学校招待給食の様子)
   〜招待給食実施までの流れ〜

1 献立委員の生徒が,ALTの先生にアメリカの学校給食について取材し,特別献立を立案

HOT DOG with CHIRI, MILK, Fried POTATO, Boiled CORN (ホットドック,チリ(南米豆料理),牛乳,フライドポテト,ゆでとうもろこし)

2 英語の授業の中で,招待給食実施クラスを宝くじ方式で決定

3 招待給食実施当日の給食の時間は,英語が飛び交う楽しい時間となった。
行事食事例…学校給食週間に世界の料理を実施
 (水戸市立酒門小学校 学校給食週間における行事食の様子)


        




 各学校では,全国学校給食週間(1/24〜1/30に合わせて,様々な特色ある給食活動が実施されている。




 水戸市立酒門小学校では,いろいろな国の食文化を知ろうということで「世界の味めぐり」給食が実施された。
 給食時間の放送では,それぞれの国の食文化について児童が調べたことを発表したり,給食についての作文を紹介したりと,まさに学校給食を生きた教材として,食に関する指導が実施されている。
        ↑今日の献立はベトナム料理