
きつねさんとうさぎさんが,たぬきさんからクレヨンを借りる話です。きつねさんが,うさぎさんのクレヨンの借りかたを見て,「ありがとう」という言葉の大切さを知るという資料です。
1 資料名「赤い クレヨン」 〈小学校 低学年〉
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きつねさんとたぬきさんとうさぎさんは,とてもなかよしです。
きょうは,ひさしぶりによいお天気です。図工の時間は,そとでおえかきをすることになりました。
3人は,いっしょにとんぼの絵をかきはじめました。 |
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きつねさんは,赤いクレヨンがないことに気がつきました。
きつねさんは,「これかして!」といって, |
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さっと手をのばし,たぬきさんの赤いクレヨンをとりました。
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きつねさんは,すぐに絵をかきはじめました。
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たぬきさんは,「あれっ?」とおもいました。
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すると,こんどは,うさぎさんが,たぬきさんの目を見てはなしかけました。
「たぬきさん,ぼくに青いクレヨンをかしてくれる?」
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「いいよ。つかって。」
たぬきさんは,にっこりわらって,青いクレヨンをうさぎさんにわたしました。 |
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うさぎさんは,たぬきさんの目を見て,頭を下げながら,「ありがとう!」と元気な声で言いました。 |
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そして,うさぎさんは,絵をかきはじめました。 |
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うさぎさんのようすを見ていたきつねさんは,
赤いクレヨンをじっと見つめていました。 |
2 学習指導案
(1) 主題名 みんなと仲よく (2-(1))
(2) ねらい
気持ちのよいあいさつや言葉づかい,行動に心がけて,明るく生活しようとする心情を育てる。
(3) 「心に響く」ための工夫
① 資料のよさ
- ア 学校生活における身近な出来事であるため,生活経験と結びつけながら考えることができる。
- イ 登場人物を動物にしたことで,特定の児童をイメージさせることなく考えることができる。
- ウ 役割演技が行いやすく,きつねさんの気持ちに共感しながら,ねらいとする価値に迫ることができる。
② 工夫あれこれ
- ア 導入場面の工夫
資料に関係のある歌を歌って,気持ちを盛り上げてから,資料の読み聞かせに入る。
- イ 板書の工夫
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きつねさんとうさぎさんの行為を対比しやすいように,黒板にさし絵を順番にはりながら,読み聞かせを進める。
- ウ
にこにこカード(意思表示カード)の活用
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児童に,笑った顔・泣いた顔・怒った顔・困った顔の4つの種類のカードを持たせる。「自分は,どう考えるか」をどの児童にもはっきりと意識させ,どうしてその顔なのか発問することによって,より深く自分を見つめさせる。また,指導者が児童一人一人の考えを把握することで,より高い価値に気付く発問や展開に発展させるようにする。
③ 配慮すること
- ア の言葉を「たんぽぽ」や「あじさい」などと換えることによって,季節に合った授業を行う。
- イ 児童の実態によって,「ありがとう!」の言葉だけでなく,『目を見ながら』声をかける動作や『勝手に人のものをとらない』という動作にも,気付かせるようにする。
(4) 展開例
| 学習活動と主な発問 |
教師の働きかけ |
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- 黒板に,挿絵をはりながら資料を読み児童が状況や登場人物の心情を把握しやすいようにする。
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- ○赤いクレヨンがないことに気が付いた時,きつねさんはどんなことを考えたでしょう。
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- きつねの気持ちを児童一人一人がどのように考えたのか、にこにこカードで確認する。
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- ○きつねさんは,たぬきさんからクレヨンをかりたとき,どんな気持ちだったでしょう。
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- ◎赤いクレヨンを見つめているきつねさんは,どんなことを考えていたでしょう。
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- 役割演技を行うことにより,きつねの気持ちに,共感させるようにする。
- 補助発問を入れるなどして,子どもたちの役割演技の中で出てくる言葉を大切に取り上げていく。
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- 3 「ありがとう」と言ったり,言われたりした経験について発表し合う。
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- ありがとう」という言葉が,人と人との心をつなぐ大切な言葉であることに気付かせたい。
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- 一人一人の発表に対して,これからの励みになるような言葉を添えたい。
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| 4 教師の説話を聞く。 |
- 「よし!やってみるぞ!」と思わせるような話をしたい。
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3 「心に響く」話合いのようす(☆児童の反応)
- T :
- きつねさんは,赤いクレヨンをじっと見ているね。どうしてかな?
- ☆しばらく黒板を見ている。
-
- S1:
- 「ありがとう」って言っていないからだよ。
- T :
- じゃ,やってもらってもいい?
- ☆役割演技を行う。
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- T :
- きつねさん。今,何を考えているの?
- S2:
- 「ありがとう」って言うのを忘れてる。ちゃんと言わなくちゃって。
たぬきさん怒っているかも・・・。
- ☆役割演技を行う。
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- T :
- きつねさん。今,何を考えているの?
- S3:
- うさぎさんとかりかたがちがうよ。ちゃんとかりてないよ ・・・。
- T :
- ちゃんとって?
- S3:
- 「いいよ」って言われてないのに勝手に取ってっちゃった。「ありがとう」も言っていない。
- ☆役割演技を行う。
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- T :
- 何を考えていますか?きつねさん?
- S4:
- 目を見て,ちゃんと「かして」って言ってないよ。それに,「ありがとう」も言ってない。
たぬきさんおこってるかな?
- T :
- 「ありがとう」っていわないといけないの?
- S4:
- うん。そうだよ。
- T :
- どうして?
- 〜しばらくして〜
-
- S5:
- 「ありがとう」って感謝の気持ちだよ。
- S6:
- そう,感謝の気持ちだよ。だってクレヨンかしてもらったんだから。
- S7:
- 助けてもらったんだ。
- S5:
- 感謝の気持ちは言葉で伝えなきゃ。
- S6:
- 「ありがとう」っていうと,いい気持ちになるよ。
- S(周囲の児童):
- なるなる。
- S8:
- いわれた人もいい気持ちになるよ。
- S(周囲の児童):
- うん。なるなる。
- S6:
- ちゃんと伝えないとだめだよ。
- T :
- じゃ,きつねさん続けてみて・・・。
- S4:
- 赤いクレヨンかしてくれて, ありがとう。「ありがとう!」って言わなくてごめんね。
- S(周囲の児童):
- 拍手
- T :
- 「ありがとう」って言ったり言われたりしたことはありますか?
- S6:
- 鉛筆をかしてあげて,「ありがとう」って言われてうれしかったです。
- S7:
- 遊んでるときに,仲間に入れてもらったとき,「ありがとう」って言いました。
- S8:
- お手伝いをしたら,お母さんに「ありがとう」って言われました。
- T :
- どんな気持ちだったかな?
- S8:
- うれしかったです。
- T :
- 「ありがとう」っていい言葉だね。もっと「ありがとう」って言ったり言われたりしたことを教えてください。
4 児童変容の様子
(1) 授業前後におけるアンケートに対する回答
〔2年1組21人調べ,数字は事後(授業実施1か月後)の人数,( )内は事前の人数〕
| 調査項目 |
いる |
ときどき |
ない |
| 元気に「おはようございます」「さようなら」とあいさつをしていますか? |
14人
(8人) |
7人
(12人) |
0人
(1人) |
| 物をかりたら「ありがとう」と言っていますか? |
20人
(5人) |
1人
(10人) |
0人
(6人) |
| ぶつかったりした時に,「ごめんなさい」と言っていますか? |
11人
(2人) |
10人
(12人) |
0人
(7人) |
(2) 授業後の児童の様子
授業後に「ありがとうの木」を教室に掲示した。「ありがとうの木」も,たくさんの実をつけ始めている。児童は,生活の中で「ありがとう」や「おはよう!」などのあいさつにも関心をもち始めている。あいさつが,人と人との心をつなぐ言葉であることに気付く児童が見られるようになった。心のノートを使った活動からもその様子がうかがえた。
5 自作資料を作成してみて
- (1) 自作資料を作成して,副読本の読み物資料の内容が精選されたものであることがよく分かった。特に低学年生用の資料の場合,一つ一つの言葉の使い方や,登場人物の名前の付け方,挿絵の場面等で,まったく児童の反応が異なることがよく分かった。
- (2) 「礼儀」の項目では, 児童の実態に合わせて自作資料を作成するだけでなく,どの学年でどのような「礼儀」について考えたり気付かせたりするか,全学年をとおして,系統的・計画的に指導することが大切であることに改めて気付いた。
- (3) 同じ資料を使って授業をしても,わずか1年の違いで,学年によってまったく反応が違っていた。発達段階や児童の実態を十分に考慮して資料を作成し,発問や展開をじっくり考えることの大切さが改めてよく分かった。
| 資料を提供した学校 |
小美玉市立上吉影小学校 |
| 住所 |
〒311-3404 茨城県小美玉市飯前1376-16 |
| TEL |
0299−53−0050 |
| FAX |
0299−53−0574 |
| E-mail |
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