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歴史の道調査事業 近世第13回調査

日時

平成24年3月3日(土曜日)

 

参加者

小野寺(専門委員)、小島、有賀、山屋(茨城大学)、横倉(常陸太田市立佐渡小学校)、但野(北茨城市立平潟小学校)、事務局 高野

 

北茨城市平潟町黒浦 ~ 関本町粟野 ~ 関南町関本下 ~ 福島県勿来関跡

調査の概要

今回の調査は、県内の街道最北部平潟町を起点として、関本町関本中粟野から関南町関本下を通り神岡宿へ向かう道筋を調査。その後、関本町から北上し勿来関跡を通り、九面町を抜けて平潟町へと向かう道を調査しました。

 

平潟港

平潟港は、自然の入江を漁港として栄えていましたが、寛永年間(1624~43年)、仙台藩により年貢米の中継港として築港されました。同藩はこの地に陣屋を置き、買米や江戸廻米の監視を行いました。寛文10(1670)年、河村瑞賢により東廻海運が刷新されると、平潟港は幕府公認の寄港地として指定されました。これにより、同港は幕府領、旗本領などの年貢米の積出港としての役割も担い、次第に地方随一の商業の中心地として栄えました。その後、明治30(1897)年に常磐線が開通すると、東廻海運の需要は急速に失われ、同港は約270年続いた商業港としての役割の終焉を迎えることとなります。

 

平潟港
▲平潟港

 

それでも、「‥‥平方浜ハ無類の旅泊也、丑寅の方に口有、其外山ニつつまれ、いか様なる難風に舟をかけても気遣なし」(岩城道中記)とあるように、現在でも山に囲まれた港を眺めると、当時“風待ち港”として繁栄したこの平潟の様子が偲ばれます。

 

平潟港北側の八幡神社

『岩城道中記』(1748~1750年)に「‥くろうらへ出る、此の所出張に八まんの宮有り」とあり、平潟の内海が見下ろせる岬の高台に鎮座しています。

 

平潟港北側の八幡神社
▲平潟港北側の八幡神社

 

平潟洞門(所在地 北茨城市平潟町黒浦)

八幡神社を右に見ながら北へ向かい、両側が切通しの坂道を上り切った辺りに、この平潟洞門の碑が建てられています。平潟村の地形は、東が大海に面し、北・西・南方が山に囲まれた狭い盆地になっています。そのため、当時、平潟町よりいわき市九面町へ通じる道は階坂(はしござか)といわれ、牛馬も通れない急な坂道であったことが記録に残されています。そこで、平潟港に交易を依存する周辺各地からも、人馬の往来を容易にするための洞門掘削を棚倉藩に願い出ました。安永3(1774)年9月から10ヶ月を費やし、洞門が完成しました。
この完成を記念して建てられた「平潟洞門の碑」には、『京都一千三十二里・・・』と、平潟からの里数(一里約654m)が刻まれています。

 

平潟洞門
▲平潟洞門

 

平潟小学校から西に向かう街道沿いの石塔群

国道6号線の平潟小学校脇「平潟港入り口」交差点を西に入った右手に見られます。高さ1.8m余りの馬頭観世音を中心に、馬力神など8基がまとめられてあります。

 

平潟小学校から西に向かう街道沿いの石塔群
▲平潟小学校から西に向かう街道沿いの石塔群

 

常磐線脇の八坂神社内に建つ石塔群(北茨城市関本町関本中粟野)

先ほどの道をさらに西に進むと常磐線の踏切があります。その踏切を渡ったところに「村社八坂神社」と記された標柱が見られます。鳥居をくぐるとすぐ右側に、庚申塔など村の人々の信仰を表す石塔が並んでいます。

 

常磐線脇の八坂神社内に建つ石塔群
▲常磐線脇の八坂神社内に建つ石塔群

 

街道沿いの観音堂(北茨城市関南町関本下)

『岩城便宜』に、「左の方千手観音堂有、別当けんしゅう院真言宗也」の節があります。これに当たる寺院であるかは今のところ定かではありませんが、境内に向かって左奥に六十六部塔、二十三夜塔が見られます。

 

街道沿いの観音堂
▲街道沿いの観音堂

 

勿来関跡(いわき市勿来町)

白河関、念珠関と並び奥羽三古関の一つ。勿来関の歴史は古く、平安初期、北方蝦夷の南下を塞き止めるために駅路(官道)の廃止し、その通行止めを監視するためのものであったとする説があります。
当時、陸奥守源義家がこの地に差し掛かり、舞い散る山桜を詠んだ、『吹く風を なこその関と思へども 道も背に散る山桜かな』(千載和歌集)が広く人々に親しまれています。そのほか、紀貫之、小野小町をはじめ、多くの歌人たちがこの地を訪れて詠んだ歌が、歌碑としてのこされています。

 

勿来関跡
▲勿来関跡

 

次回の調査は、前回の磯原町から関本町までの道筋を辿る予定です。

 

 

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