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大西勲氏は,鎌倉彫を学んだ後,昭和49年から赤地友哉(あかじゆうさい)(昭和49年度重要無形文化財「きゅう※漆」保持者認定)に師事して曲輪造(まげわつくり)を主とするきゅう※漆の技法を習得した。それ以後も技の錬磨に努め,技法を高度に体得した。
きゅう※漆の幅広い技法のうち,曲輪造は,木材の薄板を環状に曲げ,個々の曲輪を組合せて,素地を造形するもので,軽く堅牢で,木材の収縮による歪みを生じることがなく,同心円の構造を意匠に生かすことができる技法である。大西氏は,数十本の檜材の曲輪で素地を造形し,いくつかの部材に分けてそれぞれ漆の下地を施し,更に上塗を行った後に再び組み上げて仕上げる。大西氏は,大子町で採集された良質な漆を,自ら精製し全工程に使用し,上塗は,黒漆塗,朱漆塗,溜塗などの塗立仕上げとする。素地の造形から上塗・仕上げに至る一貫した制作を行っており,品格の高い優れた作品を数多く発表し,高く評価され,その作品は,第40回日本伝統工芸展の文部大臣賞,第15回日本伝統漆芸展の文化庁長官賞など数々の賞をうけており,文化庁や東京国立近代美術館によって買い上げとなった。
また,茨城県芸術美術展においても板谷波山賞をはじめ多くの賞をうけている。
さらに大西氏は,長年にわたり石川県立輪島漆芸技術研修所で後進の指導にあたり,漆芸技法の保存・伝承にも尽力している。 |