県指定文化財 彫刻

もくぞう しょうかんのんぼさつりゅうぞう
木造
聖観音菩薩立像
1軀
   指定年月日 平成17年11月25日
所在地 稲敷市神宮寺146番地
管理者 神宮寺
制作時期 平安時代末(12世紀後半)
構造及び形式 カヤ材,寄木造,彫眼,現状古色

 神宮寺は満願開創の寺伝をもつ天台宗の古刹。現在,須弥壇上本尊厨子横に安置される等身の像である。垂髻を結い,前面天冠台上に花形の宝冠をいただき,条帛,天衣をかけ,裙,腰布をまとい,左手は屈臂して蓮華(後補)を執り,右手は垂下して掌を前にし,腰をやや左に捻って立つ聖観音菩薩像であり,構造は頭・体部とも両耳後ろを通る線で前後二材矧付け,内刳りを施し,三道下で割首。両肩,左臂,右肩下り外側部,両手首,両足先などを矧ぎ付ける。
 像容はやや長めの大振りの面相に,伏目がちの両眼を表わす温和な顔立ち,撫肩で奥行の浅い体軀,穏やかな衣文の彫り口など,平安時代後半の定朝様の作風に倣ったものであり,関東では安元2年(1176)造立の埼玉・西光院阿弥陀三尊像の脇侍などに近く,本像の制作年代も平安時代末,12世紀後半と考えられる。とくに奥行が浅い体軀ながら,その正面観は太身で,全体に大らかな気分がうかがえるところなどは当地方のこの時代の特色を示し,茨城県に遺る藤原彫刻のなかでは重要な作例といえる。

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